知的財産権×商品開発 切り離せない理由 −第9章「200万個販売したヒット化粧品の秘訣」−

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第9章「200万個販売したヒット化粧品の秘訣」
販売市場で200万個販売した化粧品の事例

チャネルによって、売れる・売れないの条件は変わりますが、店頭のフリー販売市場で200万個販売した化粧品の事例をご紹介します。
その商品はメイクアップを得意とするメーカーで、スキンケアシリーズを多角的市場で拡販することを目的としたシリーズでした。
そのメーカーの得意とするものはメイクアップでしたが、この企業のグループ会社ではスキンケアの販売実績を持っていたため、純粋な新規開発ではありませんでした。条件として挙がっていたのは、当時珍しいヒアルロン酸配合であること、その店頭市場での売れ筋価格帯より安い価格にすることでした。

 

知名度のない配合成分をコンセプトに

まず、問題なのが今ではよく知られていますが、当時は知名度のない「ヒアルロン酸」が、どういうものなのか、お客様にどうアプローチすれば、購入につながるのかということでした。知名度のない配合成分は、その効能や原材料をユーザーに認知してもらうことが困難でした。大手メーカーなら、莫大な広告費を投入して、認知度と信用度を上げて、購買につなげるところですが、そのメーカーは中堅メーカーで、莫大な広告予算がありませんでした。

広告予算がないので、告知方法をPRメインにして、純粋広告はできるだけ低予算に抑えました。
ヒアルロン酸配合化粧品が軒並み高価格帯のブランドしかなかった時代に、ゼロがひとつ少ない低価格のヒアルロン酸配合化粧品は市場ニーズがあるだろうという読みでした。

 

コンセプトを訴求するデザインの要素

ヒアルロン酸の構造
※イメージ画像です

今ではヒアルロン酸は合成で作られているものが多いのですが、もともとの原材料はニワトリのトサカです。通常、店頭フリー販売市場では、パッケージのデザイン要素に原材料のイラストを入れるのが常識でした。つまり、ヘチマ配合化粧水ならヘチマの絵、アロエ配合化粧水ならアロエの絵をワンポイント入れるような要領です。それなら、この商品はトサカのイラスト・・・となるところですが、トサカの絵はあまり印象が良くないということで、ワンポイントは化学記号を採用しました。それもヒアルロン酸の本当の化学記号は複雑なため、簡略化したものでしたが、化学記号をデザインにしたことで消費者にメディカルなイメージを訴求したことで効果がありそうだと思わせることに成功しました。

 

市場に新風を注ぎ込んだ価格戦略

そして、店頭フリー市場で売れる価格帯の2割値下げしたため、思惑通り、マスコミにも多く取り上げられ、多くのユーザーに飛ぶように売れました。追加発注に生産が追いつかないパッケージメーカーが、大量生産用の新型を起こしたほどでした。安価な価格の割には、パッケージはフロストガラスを起用したため、余計に生産に時間がかかりました。今ではあり得ないくらいのガラスボトルの重厚さと安価な価格とのギャップがユーザー人気を得た要素の一つです。

 

ゴンドラを面で取るアイテム数

シリーズ訴求POPが設置

単品通販が流行る昨今、初回導入で多数アイテムを販売するのはあまり見かけませんが、多数アイテムを販売するメリットが店頭フリー販売にはあります。クレンジング、ウォッシング、保湿化粧品、収れん化粧水、乳液、美容液という品ぞろえでのシリーズ展開でした。多数アイテムで販売する際に専用トレーをサービスすれば、シリーズ訴求POPが設置できます。単品ではトレーも単品用で面積が小さなためにインパクトが出しにくいのですが、面積が広ければ、商品パッケージに印刷できない訴求ポイントをアピールできます。そして、多品目売れば、それだけ売上もアップできます。

 

人気があるうちに一層稼ぐ戦略

人気が落ち始めると玉が転がるがごとく売上が下がり、どんな販促を打っても元の売上を回復するのが困難になります。人気が落ちる前に何か施策をすることが大切です。この場合、人気が高いうちに同じシリーズで「美白シリーズ」を同様のアイテム数で追加の新発売をしました。その後も低価格ラインなのに、高価格帯のボディケアオイルを追加発売し、アイテムの多角化により、プロモーション展開での幅を広げました。それで、より一層の売上拡大を図ることになりました。

 

地域により違うニーズに対応

日本は南北に長い土地を持っています。南北で気温差のある市場であるともいえます。美白シリーズは実は北の地域ではあまり売れないアイテムです。でも、九州・沖縄地方では紫外線が強いため、とても人気の高いアイテムなのです。北海道・東北地方では、逆に保湿アイテムに人気が集まります。人気のあるシリーズで、各地区で売れやすいアイテムをそろえることはユーザーニーズに応えることにもつながります。そのような施策が200万個売れた実績につなげる大事な要素といえます。

 
8つのポイント

1.ターゲットのニーズを把握する
2.ニーズに応えられる効果の処方をする
3.販売チャネルにあった商品企画と販促企画をする

販促企画例
大量陳列、POP設置、プロモーション、景品、プレゼントキャンペーン、クイズ懸賞、 共同懸賞、イベント招待、メイクアドバイス、食生活アドバイス、摂取カロリーアドバイス、 フィットネスアドバイス、健康アドバイスなど

4.消費者教育のために多大な広告費が必要な処方採用は避ける
5.先行あるいは競合他社商品との差別化をはかる
6.その販売チャネルで売りやすい訴求方法を見つける

訴求方法例
動画、アニメ、広告、PR、YouTube、チラシ、DVDプレイヤーやTVモニター設置、音声案内、キャンペーンガール、DM、メールマガジン、HP、コンテンツマーケティング、クチコミ、パンフレットなど

7.販促企画内容を一定期間で次々と切り替える
8.ブランドが飽きられないよう、定期的に新商品企画をする

 
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著 者 プ ロ フ ィ ー ル

株式会社ビューティラボ代表 中野啓子

株式会社ビューティラボ代表
中野 啓子

● 多摩美術大学 美術学部 デザイン科
 グラフィックデザイン専攻 広告デザイン専修
● アートセンター カレッジ オブ デザイン
 (U.S.A.)

<実務経歴>
中堅化粧品会社2社に20年、ベンチャー企業2社に2年勤務。パッケージデザイン・商品企画・販促・マーケティング・広報・広告・ホームページ管理運営・お客様相談室・営業企画を歴任。美容業界に34年間在籍。2007年(株)ビューティラボを設立。10年間で経営支援実績企業は約120社。
●中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業 登録専門家。
●(公財)東京都中小企業振興公社主催創業支援プログラム「TOKYO起業塾」
  インキュベート・サポーター。
●ふくしま地域産業6次化イノベーター
●独立行政法人 中小企業基盤整備機構 中小企業大学校 東京校
  ビジネスト 女性創業アドバイザー

株式会社ビューティラボ http://www.beauty-labo.jp/

IPP国際特許事務所 模倣防止協会長・弁理士 松下 昌弘

模倣防止協会会長
IPP国際特許事務所所長

松下 昌弘

● 早稲田大学大学院 理工学研究科修了
● IPP国際特許事務所 所長
● 企業法務知財協会 会長
● 日本弁理士会、アジア弁理士会 、
  国際商標協会INTA 会員
● 日本薬科大学 客員教授
● 政策研究大学院大学 講師

<実務経歴>
●企業知財業務のコンサルティング、教育
●特許・意匠・商標・不正競争防止法に関する係争、訴訟
●税関による差止事件
●知財価値評価、調査、契約、発明創出支援

IPP国際特許事務所 http://www.ippjp.com/
模倣防止協会 http://www.mohouboushi.org/

 
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