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第9回

確かな技術とカウンセリングによる質の高いエステティックを提供

タカラベルモント株式会社 理美容事業部長 兼 エステ・ネイル事業部長 山形輝雄取締役


エステティック業界に多様化の波が押し寄せている。簡易マッサージのような気軽さで利用できる施設も増え、サロンの会員にならずともさまざまなサービスを受けられるようになってきた。いっぽう高級エステサロンも進化を続けている。そこで今回は、エステ業界の現状や課題などを美容業界のパイオニア企業であるタカラベルモント株式会社、理美容事業部長兼エステ・ネイル部長山形輝雄取締役に伺った。

山形輝雄取締役 写真

Q:エステティック事業の中核にいる山形氏の目には、今の日本のエステ事情はどのように映っていますか。

海外ではエステティックがすごく身近な国も多く、行きつけの医院があるのと同じ感覚でエステサロンを利用しています。複合型のサロンも多く、全身のメンテナンス、頭髪からつま先までさまざまなサービスを1日かけて受けられる施設もあります。それに比較すると、日本人はパートごとに目的に応じたエステを受けるお客様が多いと思います。その意味では今後もエステティック業態の多様化が進んでいくでしょうね。またメタボリックコースなど男性に照準を当てたメンズエステなども今後は伸びていくでしょう。ただ、仕切りのためのスペースや動線の確保など問題もあって、男子禁制のエステサロンのほうがまだ多いというのが現状です。またエステティシャンが女性の場合、個室で男性のお客様に施術する際、安全面に不安を感じるという問題もあるようです。

Q:欧米におけるエステとはどのようなものなのでしょうか。

欧米などでは女性、男性と分けるのではなく、『デイスパ』(滞在型の美容・健康維持を目的とした施設)といった男女ともに利用できる施設があるので、私もよく利用しますよ。日本では『どこに行けば男性がエステを体験できるの?』と知人の男性からよく聞かれるくらい、まだ一般的ではないと思います。また、欧米ではエステの根底に“トータルビューティ”という発想がありますので、ただ顔を美しくするのではなく、カラダを健康にすることで顔や肌も美しくなるというのが基本。デイスパなどの施設が数多くありますし、サービスのバリエーションも多い。しかも、個々にカウンセリングをきちんと行ってから施術内容を決めていくのが一般的です。

Q:タカラベルモント(株)が考える“エステティック”とはどのようなものなのでしょうか。

“エステティック”とはすなわち、肌の健康、髪の健康、爪の健康、つまりカラダを健康にしていくということ。このことを消費者に伝えていくのが私どもの責務だと感じています。サロンで理由もなく高額な化粧品を薦めるのではなく、肌が健康になるためにはコレとコレが必要なんですよ、と正しい知識を提供して納得していただく。またクレンジングひとつをとってもその人の肌質によって薦めるものが変わってきますので、十分なカウンセリングが重要です。基本的な部分をアドバイスしたり、お客様の悩みを聞いて相談に乗ってあげたりということが大切なことなのです。

Q:エステティシャンにとって、カウンセリングの重要度が高いということですね。

“設備”“技術”“接客を含むカウンセリング”の3つがエステサロンの柱になりますが、特にカウンセリングは医療分野で言う“診察”にあたるので、エステティシャンには正しい知識と高度な技術の獲得が不可欠です。最新の設備を導入してその機械を使いこなす技術を身につけることも、手の技術を高めることも必要ですが、カウンセリングの教育をきちんと受けていないと、お客様のニーズに合わせたサービスの提供は難しいでしょう。エステの業態もさまざまですが、私はこうした高い技術に基づいたカウンセリングができるプロの施術こそが、高額の料金に値するものだと思います。そしてその価値をお客様に理解していただければ、そのサロンで販売する商材などへの信頼度も高まるのです。

Q:タカラベルモント(株)が取り組むエステティシャン育成について教えてください。

エステサロンの技術者育成だけでなく、ネイリスト、理美容技術者などの育成にも注力してきました。教育されたプロフェッショナルだからこそ、欧米の最新機器を活用したクオリティの高いサービスを消費者に提供できると考えておりますので、さまざまな研修制度や講習プログラムを組んでいます。ここ数年で弊社の教育システムに関するベース作りができ、今後はその成果を試していく時期に来ていると思います。ただエステというとまだまだ贅沢で敷居が高い、というイメージが強い。私どもはその敷居を下げて、お客様の立場でカウンセリングできるアドバイザーを送り出すと同時に、お客様に“高い技術には高い対価を払う価値がある”と感じていただけるようなサービスを提供していきたい。そして健康を通じた美容こそがエステティックの本分であることを伝えていきたいと考えています。

Q:今何か注目している動向はありますか?

海外では代替医療の分野でアロマが認知されています。日本ではまだそのレベルに至っていませんが、アロマは開拓途上の分野であり、エステ業界のビジネスチャンスを生む存在として大きな期待を寄せています。今後の動向には注目すべきだと思いますね。


タカラベルモント株式会社
理美容事業部長 兼 エステ・ネイル事業部長
山形輝雄取締役
タカラベルモント株式会社経営企画調査室長等を経て、エステ・ネイル事業部長、2006年より理美容事業部長を兼務。
日本エステティック協会副理事長、総務委員長。

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