抗ストレス素材特集。加速するストレス社会反映し、ニーズ増加する市場をリポート

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注目の原料 抗ストレス素材(GABA,リパミンPS,サンテアニン)

抗ストレス関連の原料市場が、着実に拡大を続けている。研究データの蓄積に加え、一般食品、飲料などへの採用で認知度が向上。潜在ニーズが掘り起こされ、市場が熟成した。ストレス社会といわれて久しいが、オフィスでのストレス起因の疾病は後を絶たず、潜在的なものも含めたメンタルケアに対するニーズは年々高まっている。増加する需要とともに多様化する抗ストレス素材市場の最新動向をレポートする。

抗ストレス素材の市場動向

訴求点がメンタルに関わる点で市場生成に苦戦した抗ストレス素材。2000年以降、研究が大きく進み、その認知度もじわじわと上がり始めた。そうした中、チョコレートに含有した商品がヒットしたのを機にGABAが注目され、一気に距離感が短縮。消費者の「近づきづらさ」が解消され、一カテゴリーとして定着した。

抗ストレス素材としては、GABAに代表されるアルファ波を誘発するリラックス系、リパミンPSのように緊張状態の中でθ波を誘発し集中力を高めるコンセントレート系に大きく分けることができる。主流は前者の癒し系だが、最近ではスポーツ時における集中力強化を目的とした商品開発に後者も注目されている。

リラックス系素材に運動効果を高める素材を組み合わせた提案をするサプライヤーも出てきている。リラックス系ではハーブ系も根強い支持があり、研究が進んでいる。全体としては食品、飲料へ採用される傾向が高まっている。

抗ストレス素材の企業動向

ヘルシーナビは運動時の集中力アップなどのデータがあるリパミンPSを扱う。当初は記憶力向上で訴求していたが、研究が進み、最近ではADHDに対する研究データも報告される。太陽化学は製造特許を持つサンテアニンを展開。海外ではブランド認知されており、末端商品も多く販売されている。今後、テアニンの認知度向上にPR活動強化も視野に入れ、拡販を図る。

パンプキンギャバ
▲パンプキンギャバ(粉末)

常磐植物化学研究所はラフマから独自製法で抽出したベネトロンを扱う。抗ストレス素材としての豊富なデータがあり、それらを武器に販促を進める。

協和発酵はGABAを展開。ニーズ増に比例し、堅調に出荷量を増やし2007年は前年比130%。今後は食品、飲料用途へも積極展開し、さらなる拡大を図る。マルハチ村松はカツオやマグロの卵から抽出したDHA結合型リン脂質を豊富に含むボニマックスPLを販売。一般的に、同成分は大豆や卵黄から抽出されるリン脂質(レシチン)にはほとんど含有されず、そういった点で差別化を図る。抗ストレスに加え、最近の研究では不安緩和効果や学習機能改善効果も見出されつつある。

トヨタマ健康食品は、パンプキンギャバを扱う。カボチャの酵素を利用してグルタミン酸から製造する。国産の天然カボチャのみを贅沢に使用し、血圧が高めの方に適した食品としてトクホも取得している。リラックス、抗ストレスのデータもあり、最近では睡眠改善効果のデータも取得している。

主な抗ストレス素材扱い企業

企業名 動 向
ヘルシーナビ 大豆レシチン原料とした高純度PS製品
太陽化学 国内外で高評価受ける独自酵素法で高純度製造するサンテアニン
マルハチ村松 DHA結合型リン脂質高含有のボニマックスPL
協和発酵 発酵技術で生産したGABAの高純度品
常磐植物化学研究所 豊富なデータと高い安全性・機能性誇るベネトロン
トヨタマ健康食品 GABA含有量10%のパンプキンGABA10、99%のパンプキンGABA99をラインナップ

抗ストレス素材の研究動向

高不安群ほどテアニン摂取によりα波出現量が高い結果を得ている

常磐植物化学は抗うつ薬の評価法として広く用いられる強制水泳試験法でベネトロンの抗うつ活性を検証。その結果、同素材はラフマエキス投与群はコントロール群に比べ活動停止時間の短縮が認められた。セントジョンズワートエキスの成績と比較すると15倍程度強力と推察される結果だった。

協和発酵はGABAによる睡眠改善試験を実施。その結果、週の後半(4日から5日目)で、GABA摂取(33.3mg)による起床時眠気、疲労回復、睡眠時間の改善傾向が認められた。

太陽化学は、不安傾向の違いによるα波出現量の比率について検証(図1)。高不安群ほどテアニン摂取によりα波出現量が高い結果を得ている。体感しずらい訴求ポイントだけに各社ともさまざまな研究に着手している。

不安傾向の違いによるα波出現量の比率(図1)

不安傾向の違いによるα波出現量の比率
データ提供=太陽化学
Special Interview
ヘルシーナビ 社長 井上 俊忠 氏に抗ストレス素材の展望と今後の展開を聞く

抗ストレス素材の展望と今後の展開を聞く

(株)ヘルシーナビ 社長 井上 俊忠

弊社は抗ストレス素材としてリパミンPS(ホスファチジルセリン)を扱っております。カーギルジャパン社の組織変更ともない、同社で扱っておりました健康機能食品関連の原料およびそれに関するプロジェクトを引く継ぐ形で私が独立。弊社がその受け皿を担っている形でございます。

リパミンPSにつきましては、記憶力低下の改善作用で注目され、研究も進んでおりますが、2000年以降抗ストレス素材としての研究がいろいろと行われています。例えば、男子学生48人に対し、300mgのリパミンPSもしくはプラゼボのいずれかを30日間投与。その後に過大な労力を要する数学の問題を解かせ、精神的ストレスを誘発した場合、リパミンPS摂取群でストレス管理がよりよく行われ、集中力を高める結果がみられています。

スポーツ分野においても過剰トレーニングによる身体疲労を和らげるのに有効

スポーツ分野においても過剰トレーニングによる身体疲労を和らげるのに有効で、最良の気分を保つサポートとなります。ADHD(注意欠陥多動性障害)の改善効果でも最近は注目を集めています。

抗ストレスというカテゴリーにおけるニーズについてはやはり社会的背景もあり、伸長傾向にあると感じます。例えば、ADHDに関する部分だけを見ても親御さんなどの関心が非常に高いですね。ポイントなるのは、大豆レシチン由来で安全であることが大きいと思います。こういった用途を改善するものは例えば薬でも非常に少なく、化学合成品がほとんどです。リパミンPSは副作用も薬物相互作用もなく、安心して使えます。

また、リパミンPSはいわゆる抗ストレス素材の中でGABAなどのα波による癒し系とは違い、θ波による高いストレス状態でも集中力を高められるという点で、今後、さまざまなシーンでの需要が出てくると考えています。すでに弊社原料を使ったメンタルサプリメントの開発も進められています。非常にすばらしい素材ですし、訴求ポイントの特性からしても一過性のブームではなくじっくりと育てていきたいと思っております。

2008.5.30 update

メンタルヘルス不調者は
年々増加

民間調査機関の(財)労務行政研究所が上場企業などを対象に行った「企業におけるメンタルヘルスの実態と対策」によると、メンタルヘルス不調者が最近3年間で「増加している」と回答した企業が、55.2%と半数を超えた。特に増加が目立つ年齢層は30代で51.9%。

こうした状況に企業側も対策を進め「なんらかのメンタルヘルス対策を実施する」と回答した企業は、79.2%と約8割にのぼった。

メンタルヘルス不調者は
年々増加

食品、飲料にも広く採用

「ストレス社会と闘うあなたに」として市場に登場し、ヒット商品となった江崎グリコのGABA。潜在ニーズを刺激したことに加え、チョコレートという身近な食品に含有されたことで、普及が加速した。

飲料ではテアニンを含有したヤクルトの「レモリア」が2000年に発売され、メンタルリラックス飲料としての市場を開拓した。

訴求点がメンタルというナーバスな部分だったが、身近な食品に採用されたことに加え、メーカーの販売戦略のうまさも手伝い、メンタルケア商品の認知は一気に壁を突き破った。

ヤクルト レモリア 
▲ヤクルト「レモリア」
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