ドラッグストア研究会 松村清 最新USレポート 弟30回 最近の米国ドラッグストア事情 (PartⅢ)【健康美容EXPO】

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業界の第一人者である松村清がドラックストアの事例を交え「売る」極意を公開


第30回



「最近の米国ドラッグストア事情」(Part 3)

1) ビューティーケア部門

wallgreen

ビューティケアカテゴリーは必需度が比較的低いため苦戦をした。それでもビューティケアー部門でドラッグストアは健闘した。スーパー&マスマーチャンダイザートータル市場はマイナス0.9%と前年割れしたが(スーパーが足を引っ張る)、ドラッグストアは1.4%成長した。下記の「今後ビューティーケア商品を購入する場合利用する小売業態」調査(OTXリサーチ)によると、ドラッグストアとマスマーチャンダイザーが突出している。


 

(表-15)【今後ビューティーケアー商品を購入する場合利用する小売業態】

業態

利用する回数を増やす(A)
(%)

利用する回数を減らす(B)
(%)

(A)―(B)
(%)

ホールセールクラブ
8
41
-33
スーパーマーケット
14
40
-36
専門店
17
52
-35
百貨店
18
45
-27
マスマーチャンダイザー
41
19
+22
ドラッグストア
41
19
+22
CVS

ドラッグストアを利用する回数を増やすという好回答の要因は、「必需度の高いビューティーケア商品の品揃え」「低価格」そして「近場という便利性」だ。そのためドラッグストアがホールセールクラブ、百貨店、専門店からビューティーケア客を奪う状態になっている。商品別に見てみると、好調であったのはビューティーケアの中で必需度の高い商品で、ラグジュリー商品は消費者の節約志向から苦戦した。人々は価格に対して価値を認めない商品に大変厳しい判断をしたのだ。そのためドラッグストアは利益率が高く且つ値ごろ価格商品を積極的に扱った。プライベートブランドも他の分野と同じく大変活躍した。またCVSからスタートしウォルグリーン、ライトエイド等がヨーロッパ等から持ってきた自社専売品を拡販したが、大変好調であった。 ビューティーケア商品をセグメント別に見てみると、ドラッグストアではフィールグッド(例:スキンケア)関連商品の伸びが著しい。ルックグッド(例:メイク)は1.2%成長したが、スメルグッド(例:フレグランス)は不調であった。

 

(表-16)【ビューティーケア商品セグメント別傾向】

ビューティーケア商品

セグメント

売上げ金額比較(2008年vs.2007年)

ドラッグストア スーパー/マスマーチャンダイザー
Look Good
+1.2%
-1.0%
Feel Good
+4.2%
+0.8%
Smell Good
-0.8%
-2.7%
化粧品コーナー

またドラッグストアは販促で「一つ購入すると2個目は無料」プログラムを化粧品、フレグランスそしてヘアケア商品に積極的に実施したことも、ドラッグストアのビューティーケアが他業態と比較して健闘した要因だ。例えば3月22日までの1年間でシャンプー売上げを見てみると、マスマーケット全体では前年対比2.2%落ち込んだが、ドラッグストアは逆に1.1%伸びた。例外的にどの市場でも成長したのがスキンケアカテゴリーだ。ベビーブーマーが中高年になり需要は拡大した。マスマーチャンダイザー市場で5.2%そしてドラッグストア市場で前年比8.0%成長した。アイ関連化粧品もマスカラが好調で伸びが著しかった。反面フレグランスやリップ関連化粧品の落ち込みは著しかった。米国ではメンズ化粧品の市場が開花しそうだ。メンズ化粧品の新製品の数を見てみると2007年は375SKUであったが、2008年は500SKUに増加している。それも今までのシャワー関連、シェービング関連、デオドラント関連だけでなく、女性と同じく多岐な分野に広がっている。メンズ化粧品関連で伸びる分野は次の4つが予測されている。リップ、アイ、ハンド等分野別の商品、メーキャップ及び日焼けクリーム、アンチエイジング、オーガニック・ナチュラル商品。 今後ドラッグストアのビューティーケア部門に対し顧客が望むことは、より低価格商品の品揃え(61%)、サンプル&テスト商品の設置(35%)、幅広い品揃え(32%)、百貨店ラインの品揃え(31%)、高額品の品揃え(26%)だ。

(表-17)【2008年ビューティーケア商品概況】

商品カエゴリー

トータルマスマーケット

売上げ(百万ドル)

前年比(%)

ドラッグストア

売上げ(百万ドル)

前年比(%)

1)スキンケア
2138
5.2
1138
8.0
2)ソープ
1896
3.4
458
5.2
3)シャンプー
1369
-2.7
435
1.1
4)カミソリ
1283
0.8
458
0.8
5)デオドラント
1236
1.0
409
3.5
6)アイ関連化粧品
1054
7.2
613
8.0
7)ヘアカラー
1031
-1.1
578
-0.5
8)フェース関連化粧品
1031
2.0
639
2.5
9)ハンド&ボディーローション
969
-0.2
472
1.4
10)ヘアコンディショナー
928
-4.0
331
-0.3
11)ヘアスタイリングジェル/ムース
627
-3.0
283
-2.6
12)サンケア商品
603
5.6
286
3.5
13)ネイル関連化粧品
590
1.6
378
1.9
14)リップ関連化粧品
568
-7.6
381
-6.4
15)女性用フレグランス
438
-10.0
289
-5.6
16)ヘアスプレー
411
0.9
166
1.6
17)シェイビングローション&フレグランス
408
-3.4
226
-1.4
18)シェイビングクリーム
269
0.2
87
2.3

注)トータルマスマーケット=スーパーマーケット、ディスカウントストア、ドラッグストアトータルの売上げ。但しウォルマトの売上げは除外
資料:CDR

2) コンビニエンスフード部門

景気イメージ

この経済不況は消費者のショッピングパターンを近場での買物という方向へ変えた。それはガソリン代と時間の節約のためだ。ドラッグストアは、ヘルスケアのデスティネーションストアという顔とコンスーマブル商品(コンビニエンスフード&消耗雑貨)の便利性買物という2面性が消費者に支持された。現在の食品におけるキーワードは「ナチュラル」で、2008年に出された食品&飲料水新製品の23%の商品は全てナチュラル成分、着色剤ゼロ、保存剤ゼロ、オーガニック、穀物原料をうたっており、2007年度の9%から大幅な伸びだ。 その結果食品の売上げは好調で、ほとんどのカテゴリーで成長を記録した。例えばシリアルはマスマーチャンダイザー市場では3.1%の成長だが、ドラッグ市場では15.3%成長した。人々が朝食を外でとっていたのを家でするようになり、小型パッケージのReady to Eatのシリアルが大好評だ。同様にマッフィンなど朝食マーケットが大ブレークしている。炭酸飲料水はマスマーチャンダイザー市場では0.5%の成長だが、ドラッグストア市場では対前年比5.4%成長した。これはカロリーゼロやナチュラル甘味の商品が成長を引っ張った。又スナックやコーヒーなどの売上げの伸びは2桁以上だが、いかに外出しないで家の中にいる時間が多いか、つまり巣篭もり状態になっているかを物語っている。人々はレンストランでの食事の回数を減らしている。また保険を持たない人が増加し節約のため出来るだけ医者にかからないようにしている。そのため健康志向は以前より強くなっており、オーガニックやナチュラルをキーワードにして品揃えしているドラッグストアの食品は大変好調だ。またレストランでの食事の回数を減らしているが、せめて雰囲気はレストランの雰囲気をと言うことでワインをドラッグストアで購入する人が増えている。ワインメーカーも一人用のミニワインを出したり、節約のための大型サイズ(3L)ワインを出している。パッケージもかつてのガラスからスポーツドリンクなどで使われている非ガラス材料を使用することで破ビンのおそれが無くなり取扱いが楽になった。

(表-18)【2008年コンビニエンスフード商品概況】

商品カエゴリー

トータルマスマーケット

売上げ(百万ドル)

前年比(%)

ドラッグストア

売上げ(百万ドル)

前年比(%)

1)炭酸飲料水
13567
0.5
1025
5.4
2)ビール
9139
5.2
986
8.0
3)スナック(ソルティ系)
8739
9.0
436
12.5
4)シリアル
6599
3.1
174
15.3
5)ワイン
5911
3.5
361
6.6
6)ボトルウォーター
4967
-5.4
489
4.8
7)チョコレートキャンディ
4763
-7.1
1467
-6.9
8)スープ
4238
3.1
101
6.7
9)クッキー
4004
0.4
208
-1.6
10)クラッカー
3979
5.1
95
8.5
11)ボトルジュース
3812
0.3
157
1.3
12)コーヒー
3503
5.8
150
16.8
13)ベビーフード
3001
-0.9
270
-1.6
14)ハードリカー
2864
1.4
669
1.2
15)ノンチョコレートキャンディ
2400
-5.5
809
-2.7
16)スナックバー
2314
1.8
165
7.8
17)スナックナッツ
1791
1.7
331
8.2
18)スポーツドリンク
1698
-1.5
149
3.4
19)ボトルコーヒー&ティー
1391
-3.5
174
3.0

注)トータルマスマーケット:スーパーマーケット、ディスカウントストア、ドラッグストアトータルの売上げ。 但しウォルマートの売上げは除外
資料:CDR

3) ジェネラルマーチャンダイズ部門

ドッグフード

ドラッグストアにおけるジェネラルマーチャンダイズ部門は、ここ2~3年で大きく変貌している。それは写真部門のデジタルカメラ及びホームプリントの普及により売上げが32%落ちているからだ。その反面、ジェネラルマーチャンダイズ商品の高い便利性機能とこの経済の不況から、ドラッグストアの手ごろな価格と近場での買物という面から消費者に受けている。ドラッグストアでトイレットペーパーは24.8%、キッチンペーパーは17.5%、衣料洗剤、食器器洗剤、ゴミ袋、たばこは二桁以上成長しているが、マスマーチャンダイズ市場では一桁台の成長しかない。 不況な経済下でも人々はペットに対するお金は使っている。ウォルマートを除いたスーパーマーケット、マスマーチャンダイザーそしてドラッグストアトータルでのペット用品売上げは2008年度341百万ドル(前年比+15%)を記録した。米国ペット商品協会によると、2008年度のペット商品トータル売上げは430億ドルを記録し、どのカテゴリーにおいてもマイナスにはならなかったと報告している。2009年は5%成長し、454億ドルになると予測している。米国世帯の63%がペットを飼っているが、一番人気があるのは犬で、44.8百万世帯が飼っている。2位が猫で、38.4百万世帯が飼っている。ドラッグストアにおけるペット関連商品の成長は著しく、前年比で54.2%も成長した。ペット用品の買物は近場のドラッグストアでという心理になっている。またウォルグリーンはじめドラッグストアがペット用調剤薬も出すことで便利性に専門性が附加され、人々の心理がドラッグストアに傾いた。

(表-19)【米国ペットオーナーの犬・猫用品の年間消費額】

カテゴリー

犬(ドル)

猫(ドル)

ペット用食品
217
188
ペット用ビタミン
77
31
ペット用薬
66
40
ペット用玩具
41
26
合計
401
285

その他バッテリー、低価格家電が好調であった。新しい動きとしては、環境に優しいグリーンバッテリーセグメントが注目されている。

(表-20)【2008年ジェネラルマーチャンダイズ商品概況】

企業名

調剤売上高

(百万ドル)

年間総売上高

(百万ドル)

総店舗数

(百万ドル)

調剤店舗数

1)炭酸飲料水
39,500
59,000
6,443
6,443
2)ビール
30,000
87,500
6,923
6,857
3)スナック(ソルティ系)
17,700
26,300
4,091
4,091
4)シリアル
14,800
255,700
3,656
3,629
5)ワイン
7,800
9,200
3,400
3,400
6)ボトルウォーター
7,700
8,500
3,030
3,030
7)チョコレートキャンディ
6,700
76,000
2,481
1,940

8)スープ
3,500
44,100
1,739
1,330
9)クッキー
3,100
4,200
2,000
2,000
10)クラッカー
2,700
62,900
1,682
1,470
11)ボトルジュース
2,600
46,800
1,368
1,025
12)コーヒー
2,600
43,600
2,460
920
13)ベビーフード
2,140
22,600
1,140
1,140
14)ハードリカー
2,040
21,800
711
527
15)ノンチョコレートキャンディ
1,800
1,900
1,008
1,008
16)スナックバー
1,370
57,000
519
451
17)スナックナッツ
1,270
23,900
993
769
18)スポーツドリンク
1,200
46,800
602
508
19)ボトルコーヒー&ティー
1,160
1,400
39
39

注)トータルマスマーケット:スーパーマーケット、ディスカウントストア、ドラッグストアトータルの売上げ。 但しウォルマートの売上げは除外
資料:CDR

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Information
松村清レポート
ドラッグストア研究会 松村清会長

Profile

Excell-Kドラッグストア研究会
( http://www.drugstore-kenkyukai.co.jp/)
Excell-K薬剤師セミナー、及びExcell-Kコンサルティンググループを率いる流通コンサルティング会社Excell-K(株)ドムス・インターナショナルの代表者。小売業、卸店、メーカーに対するコンサルテーションをはじめ、講演、執筆、流通視察セミナーのコーディネーターとして活躍。特にドラッグストア開発、ロイヤルカスタマー作り、シニアマーケティングのための実務と理論に精通し、指導と研究では第一人者。年間半年を米国で生活し、消費者の目・プロの目を通して最新且つ正確な情報を提供しながら、国内外における視察・セミナー・講演を精力的にこなす。


ウォルグリーン写真

■レポートの中で事例として登場する「ウォルグリーン」は全米No.1のドラッグストア


 
 

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