ドラッグストア研究会 松村清 最新USレポート 弟27回 ドラッグストアの業態進化論(PartⅡ)【健康美容EXPO】

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業界の第一人である者がドラックストアの事例を交え「売る」極意を公開


第27回



ドラッグストアの業態進化論 (PartⅡ)

勝ち残ったドラッグストアの要因

3s戦略 Specialty専門性 Speed便利性 Service接客性

米国のドラッグストアの歴史を見てみると 3S戦略(「専門性=Specialty」、 「便利性=Speed」、「接客性=Service)」を取ったコンビニエンスドラッグフォーマットのみが勝ち残り、価格で勝負したディープディスカウント型や大きな店舗の総合品揃えメガドラッグ゛型は全て他業態との戦いに敗れていった。




 

a) HBC(ヘルス&ビュティーケア)の専門性(Specialty)の充実

ドラッグストア経営の教訓

ドラッグストアが存在する価値とは何か?それはHBCの「専門性」である。それこそがドラッグストアのコアコンピテンスだ。専門性を打ち出すためには、まず調剤の強化が不可欠だ。医薬分業が遅れた日本でも、近い将来必ず調剤薬がドラッグストアの核部門になり、地域住民の信用や信頼を勝ち取る武器になる。今後他の業態との差別化は、薬剤師の配置、第Ⅰ類に属するOTCの品揃え、優れたカウンセリング等を実施出来るドラッグストアが勝ち残る。単に登録販売者のみで店舗展開するという安易な考えの店は、いずれ他の業態にビジネスを奪われていくだろう。ケンタッキー・フライドチキンの創業者カーネルサンダース氏の有名な言葉で「易き方法は後に困難をもたらし、難し方法は後に易きをもたらす」(筆者意訳)と言うのがある。これからのドラッグストア経営に大きな教訓となる。

 

b) ディスカウンターとの差別化の武器になる便利性の強化

ドラッグストアがマスマーチャンダイザーと戦う強い武器の一つは「便利性」だ。ディスカウンターはローコストオペレーションが絶対条件であるため、便利性の良くない立地、そして大きな店舗と少ない人員によるオペレーションとなって便利性に欠けるのだ。ドラッグストアの便利性には、入りやすく出やすい立地、クイックショッピングを可能にする店舗作り、待たせないレジ、24時間営業店舗、ドライブスルー調剤機能、コンスーマブル商材(コンビニエンスフード&消耗雑貨)の品揃え、ネットショッピング機能、配達サービス等がある。米国では利便性の強化により、ドラッグストアが1店舗オープンするとコンビニエンスストアが4店舗つぶれると言われるようになった。小売業トータルの売上げが伸びない時代において、他の業態を餌食にすることが成長につながる。


c) 究極の差別化の武器であるホスピタリティ強化

「価格は一日、品揃えは三日で真似できるが、サービスは一生真似できない」と言われるように、接客サービスは究極の差別化ポイントなのだ。またカウンセリング力も差別化のキーワードだ。米国の場合どの小売業でもOTCを販売できるが、薬剤師の居ない店舗でのOTCの販売は不振である。それは薬が米国人の死因の上位を占めており、消費者の間でOTCも正しく服用しないと怖いものと言う考えが普及した結果だ。特に効き目の高いスイッチOTCの普及は、副作用も強いためその考えを促進させた。患者と薬剤師の間に信頼関係のある人間関係を築き、ヘルスケアのソリューションに欠かせないカウンセリング力を高めなければならない。



日本の今後のドラッグストアの業態進化と大胆予測

日本のドラッグストアの成長性は鈍ったものの今後も市場は拡大してゆき、いずれ10兆円産業になるだろう。このように一見明るく見えるドラッグストア業界の将来だが、ドラッグとは名ばかりの店作りをしてきた時代にはピリオドが打たれ、OTC医薬品の規制緩和に伴った他業態との激しい競合に直面している。資本力だけを武器に出店競争を繰り広げてきた時代から、企業のそして店舗の存在の社会的価値が認められ、地域社会に貢献するドラッグストア本来のあり方が問われているのだ。

業態変遷

フォーマット

将来性

コメント

ヘルスケア強化型フォーマット
専門性、便利性、接客性
ドラッグストアの王道
便利性強化型フォーマット
便利性、接客性
登録販売者のみで展開する場合は、専門性の武器が無いためもろい
ビューティーケア強化型フォーマット
ビューティ-ケアの専門性、便利性
ニッチビジネス
ディスカウント型フォーマット
総合品揃え性、低価格性
×
ディスカウント型他業態の餌食

a) へルスケア強化型フォーマット

otc医薬品

薬剤師が必要な調剤及び第1類OTC医薬品を強化販売する「調剤併設型ドラッグストア」だ。このフォーマットが日本の将来のドラッグストアの主役になる。スギ薬局やウエルシア関東のように全店調剤併設型ドラッグストア戦略で先行している企業もあるが、マツモトキヨシやツルハなど他企業もここに来て調剤を強化している。マツモトキヨシでは調剤併設のドラッグストアを12年2月期までに500店舗に拡大する方針だ。薬歴管理などを通じ地域の顧客の健康管理に貢献することで固定客化を図ろうとする考えだ。
米国のウォルグリーン社が、物売り屋ドラッグストアから脱皮し「街で最も便利なヘルスケアプロバイダー」へ戦略変換したのは80年代だ。それまで調剤の売上げ構成比が16%であったが、調剤最重点戦略を打ち出しウォルマートなどの安売り屋との差別化にシフトして現在では調剤構成比が65%にもなった。


大衆薬を含む健康美容商品(HBC)市場は約5兆円で1世帯当り消費支出額が年間約12万円だが、調剤も5兆円強の市場で1世帯当り同程度の12万円ある。ドラッグストア運営するのに2万人の商圏人口が必要とされているが、調剤を取り組めば半分の商圏人口で済むという計算になる。 このフォーマットも便利性の強化も合わせて行わない場合は、顧客の来店頻度が低くなり成功は厳しい。

 

b) 便利性強化型フォーマット

新モデル開発の2つ目が便利性強化型の「ドラッグ&コンビニ」型だ。イオン系ドラッグストアタキヤはミニストップと連携して関西でドラッグストアとCVSの融合型店舗を出店した。180坪の売場のうち12坪を「タキヤ・ミニストップサテライト」に配分し、ドラッグが15000アイテム、CVSが1500アイテムの品揃えで展開している。このように日本のドラッグストアは多くの従業員に登録販売者の資格を取ることを奨励し、深夜営業やコンビニエンスストア機能を付加した便利性強化型ドラッグストアの開発に乗り出す動きが活発化している。日本のドラッグストアは米国と比較し便利性機能がまだ低いためこのフォーマットは消費者から喜ばれるだろう。しかし登録販売者のみで運営される店舗は専門性・信頼性に欠けるために厳しい戦いにさらされる。やはり薬剤師の配置と調剤機能を持つことが求められる。30坪のコンビニが中心になった「コンビニ+ドラッグ」フォーマットは成功しにくい。コンビニエンスストアの中にドラッグを入れるには登録販売者が3~4名程度必要となるが、常時雇用、OTCの乏しい品揃えそして回転率の低さ等の問題で展開は厳しい。


c) ビューティーケア強化型フォーマット

Beauty360

高級化粧品の品揃え、ビューティーカウンセラーの配置、エステやマニキュアのサービスの実施をしたビューティーケア強化型ドラッグ店舗がある。商圏が大きいこと、立地が限られていることなどで店舗数は限定的になるため、ニッチ的存在だ。米国ではCVSが「Beauty360」で化粧品専門店の開発をしている。ノウハウを蓄積してビューティー強化型のドラッグストアを展開し、衰退している百貨店や化粧品専門店の客を奪うことを目論んでいる。


 

d) ディスカウント型フォーマット

食品や雑貨の品揃えを強化した低価格販売型のメガドラッグストアフォーマットだ。米国のケースを見ると、80年代中盤までは成功したが、その後ドラッグストアビジネスを取り込んだ他の大型フォーマット(ホームセンター、スーパーセンター、ホールセールクラブやコンボストア)と同質競争に陥り敗れていった。日本でもカインズと同じ商圏にあるメガドラッグストア店舗の苦戦ぶりを見るとその成長性に疑問を感じる。


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Information
松村清レポート
ドラッグストア研究会 松村清会長

Profile

Excell-Kドラッグストア研究会
( http://www.drugstore-kenkyukai.co.jp/)
Excell-K薬剤師セミナー、及びExcell-Kコンサルティンググループを率いる流通コンサルティング会社Excell-K(株)ドムス・インターナショナルの代表者。小売業、卸店、メーカーに対するコンサルテーションをはじめ、講演、執筆、流通視察セミナーのコーディネーターとして活躍。特にドラッグストア開発、ロイヤルカスタマー作り、シニアマーケティングのための実務と理論に精通し、指導と研究では第一人者。年間半年を米国で生活し、消費者の目・プロの目を通して最新且つ正確な情報を提供しながら、国内外における視察・セミナー・講演を精力的にこなす。


ウォルグリーン写真

■レポートの中で事例として登場する「ウォルグリーン」は全米No.1のドラッグストア


 
 

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