小麦ふすまに含まれる「アルキルレゾルシノール(ARs)」が非アルコール性脂肪性肝疾患に効果あり!
◆アルキルレゾルシノール(ARs)とは?
穀物(小麦・ライ麦等)のふすま(外皮)に多く含まれるポリフェノールの一種です。全粒粉の様々な健康効果に寄与する物質の一つと推測されています。
◆作用メカニズム
ARsは「長寿遺伝子」産物Sirtuin1に作用し、酵素(脱アセチル化)活性を上昇
↓
エネルギー代謝に重要なPGC-1αを脱アセチル化
↓
<作用機序1>
PPARα等のmRNA発現量を増加。
その結果、肝組織内での脂肪酸β酸化が亢進。
<作用機序2>
ミトコンドリアの生合成が増加。
エネルギー代謝を促進。
↓
肝臓の脂質燃焼が促進。
ALT・AST値が低下。
炎症の抑制。
※AST・ALT値は、肝臓の健康状態を示す一指標
◆安全性
急性経口毒性試験を実施:ラット雌雄経口摂取試験 LDLo値(最小致死量)>3000mg/kg
<栄養成分(参考)>100gあたり
水分 0.1g未満
タンパク質 1.3g
脂質 95.8g
炭水化物 1.3g
ナトリウム 147mg
熱量 873kcal
◆研究結果
<試験1>
ARsはALT・AST値を低下させる
<試験2>
ARsはSirtuin1に直接作用し、酵素活性を上昇させる(In Vitro試験)
<試験3>
ARsは肝臓中の脂肪燃焼を促進させる
\ 肝臓の代謝促進がARsの肝機能改善効果のメイン /
◆サーチュイン活性化による期待される健康効果
サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)を活性化することで、
・脾臓β細胞の「インスリン分泌量増加」
・肝臓の「糖・脂質代謝改善」
・炎症抑制
・ミトコンドリアの「酸化ストレス減少」
・脂肪組織の「脂肪肥大抑制」、「アディポネクチン量増加」
の効果が期待されます。
◆用途
<サプリメント>
ペースト状油脂のため、ソフトカプセル等に液体オイルと混合して成型可能です。
試作品:ソフトカプセル1日3粒でALT・AST低下効果がみられました。
▲ARsはALT・AST値を低下させる
▲ARsは、Sirtuin1に直接作用し、酵素活性を上昇させる
▲肝臓の代謝促進がARsの肝機能改善効果のメイン
主に業務用として小麦粉を販売している日東富士製粉が、小麦表皮部(ふすま)に多く含まれるポリフェノールの一種、「アルキルレゾルシノール」(ARs)に着目し、研究開発を進めている。 独自の機能性を追求し、製品化への期待が高まっており、市場展開のタイミングも注目される。その研究内容と最新状況をレポートする。