医療機関の先生方によるリレーコラム「安心・安全の創り方」第9回|たま循環器科・内科 粟屋 透 院長

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第9回コラム たま循環器科・内科 粟屋 透 院長 私の考える安心安全

メタボ健診の問題点とは

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特定健診・特定保健指導制度、いわゆるメタボ健診がスタートし、1年半以上が経過しました。その受診率は低調で、ハッキリいって機能しているとはいえません。原因はいろいろあると思いますが、私はウエストがその診断基準に入ったことが大きな要因と考えています。
男性の場合、85センチに設定された診断基準。ここで引っかかった人が、次のステップへ進むわけですが、逆にいうと、それ未満の人は大丈夫、ということになります。これでは当然ですが、痩せている人の糖尿病を見逃すことになってしまいます。劇症型で重症となる恐れの糖尿病もありますので、非常に危険な場合もあります。こういったものがウエストの基準だけで見逃されるとすれば、欠陥といわざるを得ません。


ではなぜ、意味のない腹囲が診断基準のトップになったのでしょうか。ひとつは国民にとって大変分かりやすい目安となる、という部分は大きいでしょう。実際、いまではお腹の出ている人は、イコール「メタボ」というイメージがすっかり定着しました。しかしながらこれは、ほとんど無意味、危険とさえいえます。まるでメタボ腹が悪いかのような強烈な印象が定着していますが、健康で長生きする傾向の人は、少し肥えているというデータもあります。


にもかかわらず腹囲が診断基準に使われる背景には、皮下脂肪と内臓脂肪の混同があるといえます。診断基準となった腹囲の数値は、膨大なスキャニングデータから割り出されたわけですが、重要なのは内臓脂肪の面積。ところが、皮下脂肪も含めた腹囲との相関が都合よく後付けされてしまったんですね。同じ脂肪でも皮下脂肪と内臓脂肪では、その質が違います。それは研究でハッキリと分かってきています。皮下脂肪が、メタボに関与する炎症を引き起こさないのに対し、内臓脂肪は炎症を起こす。つまり、内臓脂肪の方は悪玉。一方で皮下脂肪は、増えてもメタボにはならないんです。もちろん、当院では健診にあたり、腹囲は基本的に無視しています。


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もっとも、腹囲を基準にしたことでプラスに働いた側面もあります。多くの国民がメタボに関心を持ったという点です。ただし、残念ながら腹囲にはあまり意味がありません。だからといって、当面は診断基準が変わることはありません。では、メタボ健診の対象者は一体どう対処すればいいのでしょうか。まずはしっかりと健診結果のデータを医師にキチンと説明してもらうことです。そして自らも質問すること。日本の患者さんはまだまだ医師のいいなりの方が多いですが、それではいけません。健診とは別にかかりつけの医師に、健診データを持参し、もう一度チェックしてもらうことも大切です。医師としっかりとコミュケーションを取る意味で、メタボリックシンドロームについての勉強もキチンとして欲しいですね。まとめるならば、メタボ健診を自分自身の健康としっかりと向き合うきっかけと捉えるように多くの方が意識するようになれば、その実施意義も出てくることになると思います。

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プロフィール

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たま循環器科・内科
粟屋 透 院長

URL : たま循環器科・内科
http://www.s-99.com/ds?i=129&page=doctor_info

プロフィール

1967年千葉県生まれ。
平成9年
聖マリアンナ医科大学大学院 卒業
平成9年 〜
ニューサウスウェールズ州立大学へ留学
平成13年
同大学にてスポーツ医学に関する卒後研修過程
(Graduate Certificate in Sports Medicine)終了
平成13年〜平成14年
聖マリアンナ医科大学 勤務
平成14年〜平成17年
つくし野駅前クリニック 院長
平成17年
たま循環器科・内科 開院

現在に至る

所属している協会・団体

日本内科学会、日本臨床スポーツ 医学会ほか

専門とする分野

心臓病、スポーツ医学

総合内科専門医、循環器専門医、日本体育協会認定スポーツドクター、日本臨床栄養協会認定サプリメントアドバイザー

コメント
現代の日本は情報量が過多でそのための弊害が強い印象があります。サプリメントでも予防医学の考え方でも本当に必要なもの、本当によいものが見えにくくなっていて、そのことが皆さんの健康不安をさらに煽っているような気がしてなりません。権威のあるもの、経済力のあるものが必ずしも「正しい」とは限りませんので、サプリメントや予防医学に興味をお持ちの皆さんは、まずは権威のある人の発言や大々的なCMであっても、その情報を鵜呑みにせずに常に一歩立ち止まって本当に有用なものか否かをじっくり判断してもらいたいと思っています。私はそのような努力を怠らない真の健康を目指す方への情報提供、医療サポートを続けていきたいと思っています。
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