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TOPページ > 美容・化粧品コラム【第4回】行政書士・化粧品薬事コンサルタント 菊池俊夫

美容・化粧品コラム


行政書士・化粧品薬事コンサルタント
菊池俊夫

化粧品OEMメーカーにて「製造」・「品質管理」・「開発」・「薬事部」を経て「化粧品薬事コンサルタント・行政書士」として独立

行政書士・化粧品薬事コンサルタント 菊池俊夫


17年の化粧品業界の経験をもとに薬事申請をサポート

私は元々化粧品の受託製造会社で品質管理、製品開発を経て、薬事申請業務を担当しておりました。その後、行政書士の試験に合格したことがきっかけで今までの業界で得た17年間の経験をもとに薬事申請業務を専門に扱う行政書士として独立し、「行政書士菊池俊夫事務所」を設立しました。

行政書士とは主に行政に関する書類を顧客に代わり作成し申請する代理業務を中心に行います。私が所属している神奈川県行政書士会には、現在行政書士が2000名ほどおります。その中で薬事法務を専門に扱う行政書士は私1名、都内で私が把握しているだけで4名です。しかし化粧品、医療機器会社からは相談、書類申請業務の依頼などの需要が多くあります。大企業の場合は薬事部門が設けられている会社もありますが、中小企業の中には社長1名だけの小さな会社もあります。行政側からは品質管理、安全管理などを要求され、基準に満たない場合は製品を販売することができなくなってしまうので薬事部門を疎かにするわけにもいきませんが、小規模の会社の場合、薬事部門に人員を割くことは困難です。私は主にそういった会社における薬事申請業務をサポートしています。申請書の作成内容は、化粧品に関しては輸入品成分の翻訳、全成分表示のほか、法定表示作成の校正などを行っています。医薬部外品に関してはこのほか、成分分析手法などの申請用添付書類のアドバイスをしています。また化粧品業界に新規参入する会社が、何をどうすれば良いのか分からなくて困っていた場合には業界にいた経験をもとに品質管理の手法や書類を作成、申請する手続きをサポートするほか、業界の流れなどの相談に乗っています。医療機器会社に関してはQMS(品質マネジメントシステム)の構築を行政から要求され、会社の規模を問わず構築しないと製造許可が継続できないという現状があります。これは企業にとっては死活問題ですので、QMS構築のためのサポートも行っています。クライアントは原料供給会社を含めた化粧品会社が7割、医療機器と健康食品会社が3割です。

化粧品会社から一番多い依頼は、海外からの輸入化粧品を国内で販売するために日本の薬事法に合致させた書類申請書の作成と手続きの代行です。依頼してくる会社のうち、半数以上は異業種から化粧品業界に新たに参入する会社です。新規参入する会社は、いきなり自社で製品を製造するのではなく輸入製品を販売することからスタートし、軌道にのった後に自社で製造工場を構え、輸入製品販売と平行で自社製品販売を行うというステップをふむ会社が多いです。新しく化粧品業界に参入した会社の製造販売業許可を取得することは手続き上比較的容易です。しかし許可を取得した後に、どのように製品を輸入するか、品質管理を行っていくかが重要です。このような問題を重点的にサポートしています。また海外から製品を輸入する際に、品質基準において国内との大きなギャップが問題となります。日本の薬事法が世界の中でも厳しいということもあり、海外では使用が認められているが国内での使用が禁止されている成分についての問題があります。そのほか国民性でしょうか、海外と比較して消費者が製品に求めるレベルが高いのです。海外ではクレームにならないことが国内ではクレームになるケースが多くあります。例えば国内では容器の蓋の固さのレベルまで管理が徹底されています。しかし海外では管理されていない場合が殆どで、蓋の緩みがあり、液漏れが発生してしまうこともあります。

薬事法が厳しい=安全だという長所もあるのですが、安全性にウエイトを置いて慎重になっているために海外と比較すると成分に目新しいものが少ないという短所もあります。どうしてもこの厳しい薬事法を遵守した型や枠にはまった化粧品しかないというのが現状です。海外の場合さまざまな原料を使用した、新しい化粧品が流通しています。海外の化粧品に使用されている原料は10000種類以上ありますが、国内はその半分以下の3000~4000種類です。このため海外では頻繁に使用されている原料を使用した化粧品を、そのまま国内に輸入しようとした時に輸入できないというケースが多いのです。

昨年の4月に薬事法が改正されて承認、許可制度が大幅に変わりました。化粧品および医薬部外品の製造販売をしようとする者は、製造販売業の許可を取得しなければならず、許可の基準としてGQP(製造販売品質保証基準)及びGVP(製造販売後安全管理基準)が規定されています。この基準を満たさないと製造販売業の許可が取得できず製品を上市できなくなりました。この通達は改正直前の3月になって通達されました。というのも、薬事法改正は製品に不具合があった場合、複数の人が重大な被害を被る可能性のある医薬品が優先されます。本来、薬事法という同じ法律で縛られていることから化粧品も同様な流れで行政から通達が行われなくてはらならいものですが、優先順位を考えた場合、どうしても後回しになってしまうのです。まず医薬品、次に医療機器に関しての法の通達が行われ、化粧品は、改正直前になって通達されたことで、新しい法に合致させるための書類などの準備に追われ、化粧品業界全体で困惑する事態が発生しました。企業からの書類申請などの相談件数も2月、3月に集中しました。あれから1年が経過して今はようやく落ち着いてきた状況です。

行政側は薬事法の規制緩和を打ち出していまして、以前は厚生労働大臣が認めた成分以外の使用が認められていませんでした。しかし2001年の4月より、ポジティブリスト(配合可能成分リスト)、ネガティブリスト(配合 禁止・配合制限成分リスト)という最低限ラインの枠組みを決めて、それ以外の成分については、自社の自己責任のもと自由に配合できるように薬事法が改正されました。これは行政側からすると規制緩和と言えますが、逆に化粧品の企業側からすると規制強化だと言えます。自由に成分を配合して良いからといって、何でも使用して良いということではなく、自社で安全性、有効性の確認を全てやらなくてはならなくなったことで、今まで必要の無かった安全確認や担保しなければならないことが多くなったのです。安全性に関して、自社での枠組みをそれぞれの会社のやり方で決めていますが、枠組みは販売先や消費者により、安全性の捉えかたや基準が異なるため、そのまま利用ができないという問題があります。大規模な会社だと試験により安全性を担保するのは比較的容易ですが、中小規模では人員や経費などの問題で、安全性の担保することが困難です。そこで自社で担保ができない会社は旧制度で使用していた種別許可基準に基づいた成分を使用しています。種別許可基準に合致していれば安全性が立証されているので、これに基づいていれば安全性の担保の1つとして利用できます。しかし改正後の新規成分に関しては安全性の立証が困難という問題があります。

規制緩和とは行政側からの視点であり、実際には企業側が規制を強化しなくてはならないのは業界のみなさんが感じていることであります。これからは、いかにして安全性、有効性の担保するための工夫が重要だと思います。配合成分は自由になったからといって自由に広げ過ぎて問題が発生しても良くないですし、かといって安全性だけを考えて慎重になり過ぎても新規成分を配合した製品の開発の妨げになってしまいます。業界が発展していくためにも、いかにこれらのバランスを各企業がとっていくかが課題です。

行政書士は、建設業界、入国管理ビザなどの手続きが中心で薬事法専門の行政書士がまだ少なく認知度も低いです。業界の発展のためにも薬事法専門の行政書士が今後もっと増えればと思います。








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