原料特集 ダイエット系定番素材に脳機能改善など新知見も! L-カルニチン 情報提供:ILS株式会社
ダイエット素材として認知度の定着したL-カルニチン。昨今では、スポーツやメタボリックシンドローム対策素材としても注目を集め、そのニーズは増加傾向にある。さらにここへきて、脳機能改善に関する知見も充実しはじめており、高齢社会におけるキー素材としてその存在感は高まりつつある。
脂肪燃焼に不可欠な「脂肪の運び屋」
L-カルニチンは、脂肪酸のエネルギー産生に必須の生体物質で、体内で脂肪を燃焼させる際に不可欠とされる。脂肪酸そのものと結合し、脂肪の燃焼炉と呼ばれるミトコンドリア内へ運ぶことから「脂肪の運び屋」とも呼ばれる。こうしたことからダイエット分野で注目され、関連製品も多数販売されている。さらに加齢とともにその体内生合成量が減少することから、中高年以降のメタボリックシンドローム対策素材としても応用されている。

ダイエットから脳機能改善まで幅広い研究報告
2002年に食薬区分から外れ、合成のL-カルニチンが食品として使用できるようになり、その当初はダイエット訴求が中心で、対象層は20代から30代がメインだった。だが、ここへきて、脳機能改善効果に対する研究報告も充実しはじめ、そのターゲットは高齢層にまで幅が広がっている。そのほかにも高齢者の疲労回復、さらに精神疲労の改善効果での有効性などが新たに見出され、高齢社会において今後そのニーズのさらなる増大が期待される。
L-カルニチンと脳機能のメカニズム
L-カルニチンのアセチル誘導体であるアセチルL-カルニチンは血液脳関門を通過して中枢神経に広く行き渡る。アセチルL-カルニチンは脳機能に不可欠な神経伝達物質であるアセチルコリンの生合成とエネルギー産生反応に対するアセチル基の供給源として働く。そうしたことから、アセチルコリンの減少は、老化や痴呆症に関与するとされる。逆にいえば、アセチルL-カルニチンの増加は、脳の老化予防に期待ができ、L-カルニチンの摂取は、そうした効果をサポートするといえる。
L-カルニチンの老齢ラットによる脳機能改善効果に関する研究 ILS株式会社 (大塚化学グループ) 2008年度研究 (東京都老人総合研究所・老化ゲノム研究チームとの共同研究)
目的
L-カルニチン誘導体であるアセチルL-カルニチンは脳内に移行してアセチルコリンの産生を促し、老化による認知力や記憶力低下および精神的・肉体的疲労などの高齢者の脳機能改善効果を有する事が明らかになっており、欧米では「ブレインフード」としてサプリメント等に使用されている。しかし、日本においては認可されていないため、使用不可能。そこで、前駆体である「L-カルニチン」の摂取で同効果を得られるかを確認するため、神経化学的実験で検証した。
試験内容
| 老齢ラットF344 雄27ヶ月齢 18匹 3群 | |
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コントロール群 酸性水(細菌感染予防のため) アセチルL-カルニチン投与群(AL CAR)100mg/kg/day飲料水 L-カルニチン投与群(L CAR) アセチルL-カルニチンと同モル濃度飲料水 (試験中の水の摂取量に差異なし) |
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2ヵ月間投与後、以下の測定を行ないました。 |
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血清および脳内のカルニチン濃度血清および脳内(大脳皮質、海馬)の 総カルニチン量の定量 |
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大脳皮質シナプス活性への効果アセチルコリン合成と放出量の測定シナプトソーム内 カルシウ ムイオン濃度の測定 |
結果
試験Aの結果 血清および脳内カルニチン濃度の結果
「L-カルニチン投与群」とアセチルL-カルニチン投与群において、血清および大脳皮質と海馬のカルニチン量が対照群と比べて有意に増加しました。これらの総カルニチンレベルに有意差を認めなかったことから、体内の取り込み効率が同等であることが分かりました。
血清、大脳皮質、海馬の総カルニチンレベルへのカルニチン投与効果 *, P>0.05 vs Control
試験Bの結果 大脳皮質シナプス活性への効果

カルニチン投与による大脳シナプスにおける
アセチルコリン合成(A)、アセチルコリン放出(B)、カルシウムイオン流入(C)への効果 *, P<0.05 vs Control
アセチルコリン合成 |
シナプスにおけるアセチルコリンはコリンとアセチル-CoAを基質としてアセチルコリン合成酵素で合成されます。下図2-(A)はアセチルコリン合成量を示しており、両カルニチン投与ラットともコントロール群と比較して有意にアセチルコリン合成量が増加しました。また、両カルニチン投与群での有意差を認めなかったことから、アセチルコリン合成は同等であることが示唆されました。 |
アセチルコリン放出 |
シナプス膜の脱分極刺激によってシナプス小胞内に蓄えられているアセチルコリンが放出されます。下図2-(B)は高濃度カリウムによる脱分極刺激によるアセチルコリン放出量を示しており、両カルニチン投与ラット共にコントロール群と比較して有意にアセチルコリン放出量が増加しておりました。カルニチン投与群およびアセチルL-カルニチン投与群での合成量は同等〜ややカルニチン投与群の方が高い結果となりました。両カルニチン投与群での有意差を認めなかったことから、アセチルコリン放出は同等であることが示唆されました。 |
カルシウムイオン 流入活性 |
高濃度カリウム脱分極刺激を与えた後、1秒間にシナプスに流入したカリウムイオン流入量を測定しました。下図2-(C)はコントロール群と比較してカルニチン投与群は増加する傾向を示しましたが、統計的には有意とは言えず、影響を与えなかったことが示唆されました。このことからアセチルコリン放出量の増加はアセチルコリン合成量の増加によるものと考えられました。 |
結論
「L-カルニチン」の経口摂取による小腸での吸収効率および血流からの組織への移行効率が、
アセチルL-カルニチンとほぼ同じであることが示唆されました。
「L-カルニチン投与群」は、アセチルL-カルニチン同様にアセチルコリン合成ならびにアセチルコリン放出を促進することが確認できました。
これらのカルニチンのシナプス機能促進作用において、「L-カルニチン」とアセチルL-カルニチンの差異はなく両化合物とも同様の脳のコリン作動性活性化効果を有することが明らかになりました。
その幅広い応用範囲が魅力
L-カルニチンは素材としての安定性が高く、さまざまな形態に応用できるのも特徴といえる。錠剤、ハードカプセル、顆粒でのサプリメントとして利用できるほか、飲料やクッキーなどの菓子類、ゼリー飲料などへも活用でき、高齢者が摂取しやすい形への加工方法の選択肢が多く、応用範囲が広い。
トピックス
不可避の超高齢化社会における課題
長寿国として、確固たる地位を築く日本。医学の進歩などによる平均寿命の伸長は、喜ばしい限りだが、一方で少子化が進んでおり、社会制度の維持に軋みをもたらしている。そうしたことに加え、寝たきりや認知症など“不健康長寿”の増加が問題となっている。なってからでは遅いのが実状で、ならないような生活習慣を送るために、適度な運動や健康食品、サプリメントの活用などが期待されている。
ダイエット系素材として高い認知度
研究が進められ、さまざまな新知見が明らかになっているL-カルニチン。認知度としては脂肪燃焼をサポートさせるダイエット系素材として広く知られている。運動による脂肪燃焼に特に効果が期待できることから、昨今はメタボリック症候群対老い素材としても脚光を浴びている。

ヒトの加齢に伴うL-カルニチンの減少
■L-カルニチン

■アセチルL-カルニチン
L-カルニチンは体内でも生合成されているが、それだけでは不足しがちである。そこで、含有量が多い動物性食品を中心とした食品からの摂取にも頼っている。しかし、体内のL-カルニチンは、上表のように、加齢に伴い生合成能の低下および食事量の減少により、高齢になるほど筋肉中の遊離カルニチン、アセチルカルニチン濃度が低下することが報告されている。また、現代では若年層でもダイエットや偏食などによる食事内容の変化により不足しがちになっている。そうしたことから年齢を問わず積極的な摂取が必要と考えられている。

ILS株式会社(大塚化学グループ) 営業部 管理栄養士 勝又 美紀 氏
ILS株式会社の機能食品は「食の分野から健康を創る」をコンセプトに「L-カルニチン」、「ヘム鉄」、「肝臓エキス(レバーペプチド)」を健康づくりに役立つ素材として提供している。
L-カルニチンの働き、健康への影響と必要性
L-カルニチンは体内で生合成されていますが、現代の食生活では不足する傾向があるため、豊富に含む肉や魚などからの摂取が必要です。特に羊肉や牛肉の赤身肉部分に多く含まれていますが、肉はダイエット中の方などに敬遠されるため、脂肪を燃焼してくれるはずのL-カルニチンの摂取が少なくなりがちです。また、運動やスポーツをされる方もエネルギー産生時の脂肪の燃焼に使用されるため、普段の生活よりもL-カルニチンは必要となります。そのため、積極的な補給が注目されております。さらに、加齢と共にL-カルニチンの体内貯蔵量が減少するため、心身機能(肉体疲労、精神疲労、認識力や記憶力)にも影響を及ぼしていると言われ、L-カルニチンを摂取することで改善を示唆する報告や脳機能のアンチエイジング素材としても研究されております。ILS株式会社は、イタリアのSigma-Tauグループのカルニチンを取り扱っております。Sigma-Tau社は1977年にカルニチンを世界で始めて医薬品レベルで量産製造に成功し、世界で一番最初にFDA認可され、製造ではGMPを取得し、non-GMOであり、約30年もの製造・販売実績のある「高品質のカルニチン」です。今後も研究を進めながら、確かな品質を確保し、皆様の新たな健康づくりにお役に立てるものを提供して参ります。




