カゴメ
「植物性乳酸菌飲料ラブレ」発売で、新たな飲料市場創出へ

カゴメ(本社愛知県名古屋市、喜岡浩二社長)は14日から、動物性乳酸菌よりも胃や腸での生き抜く力が強い植物性乳酸菌“ラブレ菌”を使用した、乳酸菌飲料「カゴメ植物性乳酸菌ラブレ」を全国発売した。同社では、動物性乳酸菌市場の伸びも鈍化傾向にあったことから、研究開発を進めてきた植物性乳酸菌飲料投入で、新たな飲料市場を創出していく。初年度売上目標100億円。
同社では3年前から、カゴメ総合研究所と(財)ルイ・パストゥール医学研究センターとの共同研究を続けた結果、ラブレ菌に整腸作用に加え、免疫賦活作用があることを実証した。植物性乳酸菌ラブレ菌は、京都の伝統的な漬物「すぐき漬」から発見された日本生まれの乳酸菌。「当社の動物性乳酸菌L.カゼイン菌と比較して“腸で生き抜く力”が10倍以上強いことがカゴメ総合研究所の研究で明らかになっている」という。
高齢化が進む現代人にとって、加齢やストレスによる腸内の善玉菌の減少、悪玉菌の増加は、大きな悩みの1つ。「カゴメ植物性乳酸菌ラブレ」は、強いラブレ菌を使用しているので、これまでの乳酸菌飲料とは一線を画すプロバイオティクス効果が期待できる。また、厳選した植物素材(りんご、にんじんエキス、大豆飲料、ジンジャー、ライム)を使用。甘さ控えめでスッキリとしたくせのない味。さらに、砂糖や人工甘味料は不使用で、カロリーも20%カット(同社商品対比)している。種類は130ml・110円、80ml3本パック・178円、100ml(宅配用)・オープン価格の3種(価格はいずれも税込)。
同社では、大人のための毎日の習慣飲料として「カゴメ植物性乳酸菌ラブレ」を訴求。日本を代表する大女優の吉永小百合さんを起用したTVCMも放映中。また、全国100万人規模の商品サンプリングなど積極的なプロモーションを展開中で、今年9月までに約35億円の広告宣伝費を投入する。同社では、こうしたPR活動を通じて、超高齢化社会で「強く、美しく、年を重ねたい」と希望する人を応援していく。

同社の乳酸菌ビジネス・ユニット・高橋課長によると、「今回植物性飲料として商品投入したが、今後、植物性乳酸菌の研究を継続して進め、食品分野などへも商品カテゴリーを広げていくことも検討していく」という。今年に入り、一部の飲料メーカーなどで植物性乳酸菌を素材とした商品化が目立つ中で、今後市場の動向が注目される。