健康と食品懇話会で北島室長が講演
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▲新開発食品保険対策室・北島智子室長 |
健康と食品懇話会は30日、「創立20周年記念講演会―食と健康を見つめなおす―」を東京都港区の明治記念館で開催した。この中で、厚生労働省医薬品食品局安全部基準審査課新開発食品保険対策室・北島智子室長が「『健康食品』の最近の話題」として、講演を行った。
北島室長は健康食品の現状として、「2005年の健康食品市場は1兆2850億円とも言われるが、特定保健用食品の市場は6,300億円で、ほぼ半数がそれ以外の”いわゆる”健康食品だ」とし、残り半分をいかにトクホなどの枠組みに参加させるかが今後の大きな課題とした。
条件付トクホに関して北島室長は業界からの評判が悪いと認めた。マークに「条件付き」と入っていること、「根拠は必ずしも確立されていません」という文言の2点に不満の声が大きいという。だが、「より多くの製品を枠組みに参加させるための制度の拡充だった。表現などに関して、業界の希望や要望を踏まえて考え直す必要性は感じている」と、理解を求めた。
疾病リスク低減表示に関しては、現在、「カルシウムと骨粗鬆症」「葉酸と神経管閉鎖障害」の2つが認められている。申請時は過剰摂取試験の結果提出は必要だが、原則としては規格基準となる。ただし、カルシウムや葉酸は原材料の種類が様々であるため、場合によっては個別審査の可能性もあるとした。
さらに、新たな成分を規格として申請する際は、一例目の企業の負担が重くなることを指摘。業界団体がまとまって、申請支援などを行うことを提案した。
現在、トクホの認証製品は569件だが、1カ月以内にその数は増えるとみられる。
ほかに、女子栄養大学・香川芳子学長による四群点数法の説明や、表参道福沢クリニック院長で落語家の立川らく朝医学博士による健康落語などが行われた。