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温故知新 -薬事法のブレークスルーが成否を分ける-

【第2回】時間差戦略で明暗分かれた「ヨーグルト戦争」の行方

健食販促戦略の手法のひとつに「時間差戦略」があります。

時間差戦略とは?

薬事法は商品を対象としているため、その商品を発売する前の段階であれば、いくらその成分の宣伝をしようが、対象物が存在しないため薬事法には抵触 しません。ここでポイントとなるのが、商品の発売前に出した広告を見ていた消費者が発売した商品を見て従前の広告のイメージを思い出すが否かです。

例えば、従前の広告と商品自体を何らかのキーワードで結びつけ、消費者が商品を見たときに従前の広告を連想させることができればよいのです。

時間差戦略の事例となる「ヨーグルト戦争」

今から約4年前、A社とB社が同じようなコンセプト、同じような効能を狙ったヨーグルトを発売しようとしていました。もちろん薬事法があるため狙った効能をストレートにうたうことはできません。

そ こでA社はヨーグルト発売の前に、新聞広告で、ヨーグルトの成分の広告を大々的に宣伝しました。商品自体はまだ発売前で存在しないため、この広告は当然薬 事法には抵触しません。その後ヨーグルトを販売。その商品名は発売前に広告していた成分名をそのまま使用したものでした。

A社はヨーグルト販売前に消費者にその成分のイメージを植え付け、販売時にそのイメージと商品を見事に結び付けることに成功。結果、この商品を年商70億円の大ヒット商品に育て上げました。

時間差戦略で圧勝!

B社も時を同じくして、A社と同じようなヨーグルトを販売しましたが、A社のような販促を行わなかったために、何を狙っているのか消費者に伝わらず売上は低迷。このヨーグルト戦争はA社の圧勝に終りました。

今回は商品発売前から薬事法をブレークスルーした戦略を行ったA社と、それを怠ったB社の差が明確に現れた事例でした。健食業界で勝ち残るためには薬事法を理解した上で販促戦略を立てることが重要なのです。

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