健康食品について、効能効果を標榜すると薬事法違反になります。しかし、効能効果を言わなければ、その健康食品が何のためにあるのかがユーザーにはわからず、購入しようと思わせることができません。そこで、何とかして表現を工夫して、製品の説明をする、つまり効能を伝える戦略が必要になってくるのです。
NG表現とOK表現の基本
行政がNGとする表現は“体の変化を示す”表現、つまり“医薬品を連想させる”表現です。逆に、“抽象的”“感覚的”であればOKです。
× NG | 体の変化を示す、医薬品を連想させる。 | |
◎ OK | 1.抽象的な表現 健康にいい 美容にいい ○○で元気 健康維持 |
2.感じ方の表現 ○○でとてもいい感じ |
表現の戦略1 ぼかす
戦略的な表現工夫の第1番目は、効能効果を“ぼかす”ことです。
例えば、「風邪に負けない体」。これはNGです。
これを、「冬の寒さに負けない体に」と言いかえればOKです。
NG例では、“風邪”という症状を治療するような表現は医薬品的と連想されてしまいます。しかし、OK例では実際の言葉や文脈は抽象的でありながら、効能効果を読み取ることも可能な表現に工夫しているのです。
その他の例
× NG 「目にいいルテイン」
◎ OK パソコンをよく使う方、読書の好きな方、酷使する方にルテイン
× NG 「コラーゲンを飲んで美白」
◎ OK コラーゲンを飲んでプリプリツルツル
表現の戦略2 製品と効能のつながりを断つ
薬事法違反となるのは製品の効能を述べている場合です。逆に、製品のもつ効能が述べられていても、両者のつながりが表現されていなければOKです。
例えば、
「友達がA社のブルーベリータブレットは目によいと言うので飲み始めました」。
これはNGです。しかし、
「私の親友にB子がいます。彼女はプログラマーという仕事柄かいつも目を気にしていました。ある日、B子とばったり表参道で出会うと“私、最近A社のブ ルーベリータブレットにはまってるの”と言うので、私も飲み始めました」はOKです。
NG例では、A社のブルーベリータブレットが目にいいことを直接的に表現しています。一方で、OK例は目とA社のブルーベリータブレットの関係は、文脈から読み取れはしますが直接的ではなく、ぼかされています。
このように、NG表現とOK表現を理解し、コツをおさえ表現の工夫をすることで製品説明につなげましょう。