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薬事法をひもとく

【第21回】健食と化粧品の販促表現研究講座
「事例で学ぶ販促研究」その9

シリーズとして続いております「健食と化粧品の販促表現研究講座」、今回が9回目となります。実践的な事例でのbefore-afterはお役に立っているでしょうか?

今回も、実際の健康食品と化粧品それぞれの広告事例を一つずつピックアップ、添削前と添削後の広告文面をご紹介していきたいと思っています。理論を生かし、実務につなげる良いステップですので、ぜひ学習を進めて頂きたいと思います。皆様の販促表現の一助になれば幸いです。

【健康食品 篇】~アミノ酸サプリの広告の一部です。

■ 添削 前

年齢を重ねると、以前ほど食べなくても脂肪がつきやすくなります。そんな時に必要なのが、筋肉のもととなり、体内サイクルを活性化してカロリーを燃焼させる「アミノ酸」です。「アミノ酸☆☆☆」は、高品質の「アミノ酸スコア100」を使用。脂肪燃焼に不可欠なビタミンB群や食物繊維もたっぷりだから、飲むだけでダイエット効果がアップ。青汁に混ぜて飲めば相乗効果で燃焼系ドリンクに変身します。

さあ、この文章表現はどうでしょうか? 添削していただきたいと思います。すっと読めてしまう文面ですが、直したほうが良い点が5箇所ほどあります。

■ 添削 後

年齢を重ねると、以前ほど食べな(1)いのにダイエットができない。そんな時に必要なのが、筋肉のもととなり、(2)体内リズムを整えるのに役立つ「アミノ酸」です。「アミノ酸☆☆☆」は、高品質の「アミノ酸スコア100」を使用。(3)ダイエッターにおすすめのビタミンB群や食物繊維もたっぷりだから、飲むだけでダイエット効果がアップ。青汁に混ぜて飲めば(4)Wパワー(5)ダイエットドリンクに変身します。

いかがでしょうか。下線の部分が修正点で、 添削された箇所になります。

(1) 「くても脂肪がつきやすくなります」 → 体内の変化は、好転悪化を問わず言えません。

(2) 「体内サイクルを活性化してカロリーを燃焼させる」 →単なる“ダイエット”と違い体内のメカニズムの説明は言えません。

(3)「脂肪燃焼に不可欠な」→ (2)と同様言えません。

(4)「相乗効果」→ 別の成分の働きを補強補完する意味合いの表現は出来ません。

(5) 「燃焼系」 → 「体脂肪を燃やす」のように体内への作用を示唆するためNGです。

【化粧品 篇】~ファンデーションの広告の一部です。

■ 添削 前

肌の奥まで満たされたような潤いを感じられますね。肌の保湿力がUPしたからか、潤いとハリが出てきて、キメが整い、シワも全く気にならなくなりました。

■ 添削 後

肌の奥まで満たされたような潤いを感じられますね。(1)保湿力に優れているからか、潤いとハリが(2)与えられて、キメが整い、シワも(3)きれいにカバーされています

いかがでしょうか。下線の部分が修正点で 添削された箇所になります。

(1)「肌の保湿力がUPしたからか」 → 肌の保湿力向上は言えません。しかし、製品(成分)の保湿力がよいことは言えます。

(2)「出てきて」 → 内面からの変化を述べているような表現は言えません。外部からハリを付け足す意味合いの表現に留めましょう。(3)「全く気にならなくなりました」 → (2)と同じくシワの上から覆い隠す意味合いの表現しか言えません。

以上、事例を2つ説明して参りました。

皆さんが実務で使われるのは、生きた文章であり、その表現を考えるには基本的な表現知識(言い換えの手法や因果関係の切断 等)と多くの経験が必要です。審査の厳しい中で許された新聞広告の表現や信用あるセミナーやメルマガ等で学習した表現、その引出しをいかに多くもっているかが決め手になります。「学習の眼」を持つ意識を忘れずに、今後もがんばって頂きたいと思います。

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