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薬事法をひもとく

【第20回】健食と化粧品の販促表現研究講座
「事例で学ぶ販促研究」その8

新シリーズとして「健食と化粧品の販促表現研究講座」をスタート、今回が6回目となります。実践的な事例でのbefore-afterはお役に立っているでしょうか?

今回も、実際の健康食品と化粧品それぞれの広告事例を一つずつピックアップ、添削前と添削後の広告文面をご紹介していきたいと思っています。理論を生かし、実務につなげる良いステップですので、ぜひ学習を進めて頂きたいと思います。皆様の販促表現の一助になれば幸いです。

【健康食品 篇】~ブルーベリーサプリの広告の一部です。

■ 添削 前

「近くが見づらい」「夕方になるとぼんやりする」・・・最近、そんな症状を感じたことはありませんか?加齢現象が始まる40代以上の人口は、全国で6700万人以上。今後はさらに増えていきます。

さあ、この文章表現はどうでしょうか? 添削していただきたいと思います。すっと読めてしまう文面ですが、直したほうが良い点が3箇所ほどあります。

■ 添削 後

(1)新聞やパソコン、細かい文字がつらい」「夕方になるとぼんやりする」・・・最近、そ(2)う感じたことはありませんか?(3)年齢に不安を感じ始める40代以上の人口は、全国で6700万人以上。今後はさらに増えていきます。

いかがでしょうか。下線の部分が修正点で、 添削された箇所になります。

(1) 「近くが見づらい」 → 視覚の具体的症状は言うことはできません。

(2) 「んな症状を」 → 『症状』はNGワードとして覚えてしまいましょう。

(3) 「加齢現象が始まる」→ 白内障をはじめ、加齢現象=老化が原因の病気が存在する以上、健食で加齢現象という言葉が使えないことが分かります。「年齢に不安を感じ始める」と言い換えましょう。

【化粧品 篇】~美容液の広告の一部です。

■ 添削 前

“キメ細かい肌へ生き返りました!”
とにかく「すごい!」の一言です。◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇を使用した後は、顔全体がツルツルツルッ!顔全体のブツブツが気になっていたのですが、完璧とまではいかないまでも、毛穴がほとんど目立たなくなっていました。

■ 添削 後

“キメ(1)の整った肌に” とにかく「すごい!」の一言です。◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇を使用した後は、顔全体がツルツルツルッ!顔全体の(2)ザラつきが気になっていたのですが、完璧とまではいかないまでも、(3)ツルンとした滑らかな肌を感じられるようになってきました。

いかがでしょうか。下線の部分が修正点で 添削された箇所になります。

(1) 「キメ細かい肌へ生き返りました!」 → キメ細かい肌に変化することは化粧品の効能範囲を逸脱します。

(2) 「ブツブツ」 → 吹き出物に関する表現は化粧品の効能範囲を逸脱します。

(3) 「毛穴がほとんど目立たなくなっていました」 → 毛穴が消えて無くなるような改善は言えません。

以上、事例を2つ説明して参りました。

皆さんが実務で使われるのは、生きた文章であり、その表現を考えるには基本的な表現知識(言い換えの手法や因果関係の切断 等)と多くの経験が必要です。審査の厳しい中で許された新聞広告の表現や信用あるセミナーやメルマガ等で学習した表現、その引出しをいかに多くもっているかが決め手になります。「学習の眼」を持つ意識を忘れずに、今後もがんばって頂きたいと思います。

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