コレステロール低下薬のスタチンが心疾患に対して有用であることはすでに明らかにされているが、癌(がん)の予防効果はないことが、マウスとラットを用いた新しい研究で示された。
これまでに行われた研究では、スタチンを使用した男性では前立腺癌のバイオ(生物)マーカーである前立腺特異抗原(PSA)の血液中濃度が低いことや、スタチンが乳癌発症率低下と関連する可能性があることが示されているが、今回の研究で検討されたスタチンにそのような効果は認められなかったという。
米国立癌研究所(NCI)癌予防部門プログラム責任者のRonald Lubet氏らは今回、一般的なコレステロール低下薬であるアトルバスタチン(商品名:リピトール)とlovastatin(Mevacor、日本国内未承認)の乳癌予防効果を検討。125 mg/kgまたは500 mg/kgのアトルバスタチンを食餌に加えて投与したが、抗癌作用は認められなかった。
また、抗癌薬のタモキシフェンとbexaroteneの単独投与とアトルバスタチンとの併用投与を比べた結果、抗癌薬による乳癌の減少はみられたが、スタチンを加えても効果は改善しなかった。Lovastatinも100 mg/kg、500mg/kgを投与したが、やはり癌の予防効果はみられなかった。
Lubet氏は「初回投与量は通常のヒトに対する投与量の約2倍であり、2回目はさらに高用量だったが、標準的な2つの動物モデルで、スタチンによる腫瘍予防効果は認められなかった。現状ではヒトでの研究データが混合しており、臨床試験を行う正当な根拠を確認するために行った今回の研究から得られた知見は、費用を要する大規模な臨床研究の実施を支持するものではない」としている。研究結果は、医学誌「Cancer Prevention Research(癌予防研究)」2月号に掲載された。(HealthDay News 2月5日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=623823
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