歯のインプラント治療は、歯根管(root canal)治療に比べてより多くの継続治療(follow-up treatment)を必要とすることが、米国の研究で明らかにされ、インプラントを検討する前に自然歯(natural teeth)を保存するためのあらゆる努力をすべきであることが示唆された。
米アラバマ大学バーミングハム校(UAB)のJames Porter Hannahan博士らは、インプラント治療を受けた129例の患者群と歯根管治療を受けた143例の患者群のカルテを検討。追跡調査期間は、インプラント治療群が15~57カ月(平均36カ月)、歯根管治療群が18~59カ月(平均22カ月)であった。
研究の結果、インプラント治療の成功率は98.4%、歯根管治療の成功率は99.3%であった。しかし、インプラント治療群では12.4%、歯根管治療群では1.4%が追加の介入(治療)を必要とした。この研究結果は、医学誌「Journal of Endodontics(歯内治療学)」11月号に掲載された。
Hannahan氏は「多くの歯科医が、患者を前に歯根管治療かインプラント治療の選択においてジレンマに陥っているのが現状。どちらの方法も成功率は同様であるが、歯根管治療で自然歯を残す場合、継続治療が必要なことはまれであり、通常は一生そのままでよい。一方、インプラント治療は、術後の合併症が多く、長期間での失敗率もより高い」と述べている。また、口腔衛生不良や歯の喪失が、心疾患や脳卒中、特定の癌(がん)などの重大な健康問題に関連する可能性も示されている。
米国歯内治療学会(AAE)会長のLouis Rossman博士は「口腔衛生が全身の健康状態に影響を及ぼすエビデンス(科学的根拠)が増えていることを考えれば、歯科医は、歯根管治療で自然歯を残すことができるかどうかを検討する際に、高度な訓練を受けた歯内治療医をパートナーとすることが必須である。歯を失った人にはインプラント治療が適切かもしれないが、損傷した歯を修復する歯内治療を第一選択とするべきである」と述べている。
歯根管治療の場合、痛みの原因となる炎症を起こした歯髄(pulp)を除去し、歯の内側を清浄後に充填密閉する。治療のほとんどが1回の受診で完了する。米国では毎年約1,700万本の歯が根管治療によって修復されている。インプラント治療では、抜歯を行い、顎(あご)に金属製ポストを挿入し、ポーセレン(陶材)冠を装着するが、この場合、数カ月以内に3回以上受診する必要があるという。(HealthDay News 11月20日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=621440
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