マウスで発見された新しいタイプのホルモンであるリポカイン(lipokine)が、インスリン抵抗性や脂肪肝など肥満関連の状態の抑制やリバースに役立つという知見が、医学誌「Cell(細胞)」9月19日号で報告された。今回の知見がヒトにもあてはまるならば、肥満やそれによる糖尿病やアテローム性動脈硬化症など致死性の代謝障害に対する治療法や予防法の開発につながる可能性がある。
リポカインは、ステロイドや蛋白(たんぱく)質ベースのホルモンとは異なり、遺伝子操作したマウスの脂肪細胞内に認められる。リポカインの1つであるパルミトレイン酸(C16:1n7)が、筋肉や肝臓でのインスリンへの細胞感受性を増大させ、肝臓への脂肪蓄積を抑制し、代謝性疾患の主原因である炎症も抑制するという。
米ハーバード大学(ボストン)公衆衛生学部教授のGokhan Hotamisligil氏らは、遺伝子操作したマウスが、長期にわたる高脂肪食により通常みられる糖尿病や心疾患などの代謝障害に対し、著しい抵抗性を示すことに以前から着目していた。
研究の結果、これらのマウスの脂肪細胞には、脂肪が正常な貯蔵細胞になることを介添え(シャペロン)する蛋白が欠如しており、パルミトレイン酸の産生が著しく増大していることが判明。さらに、過剰なパルミトレイン酸は筋肉や肝臓に対し、インスリン機能を改善するように信号(シグナル)を送り、結果として、細胞による養分の吸収が高まることが明らかになった。同氏らは、細胞が化学的に刺激され、自身で、パルミトレイン酸シグナルを増大させることにより、代謝に有益な影響を及ぼすことのできる“良い”脂肪を作り出すと考えている。(HealthDay News 9月19日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=619480
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