オークションでつい高値入札してしまうのは、敗北への恐怖が原因であるとの研究結果が、米科学誌「Science(サイエンス)」9月26日号で報告された。
米ニューヨーク大学の神経科学者と経済学者によるこの知見は、脳画像法と行動経済学的(behavioral economic)研究とを組み合わせることで得られた。研究者らは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、対戦相手のいるオークションゲームとくじ引き(lottery game)をする人の脳の活動を調べた。どちらのゲームでも金銭を得たり、失ったりするが、オークションの勝敗は、対戦相手に競り勝つかどうかに左右された。
研究の結果、オークションで負けているときは、脳の報酬回路の一部である線条体(striatum)の活動亢進がみられた。この変化の大きさは、高値入札の傾向と一致しており、オークションなどの社会的競争においては、敗北の可能性が“高値”を付けさせることが示唆された。異なる環境で対戦相手とオークションゲームを行う行動経済学的研究でも、同様の結果が得られた。
研究著者である同大学経済学部教授のAndrew Schotter氏は、「このような結果は、現行の経済学理論では予測されない。高値入札がリスク回避または“勝利の喜び”に起因するという過去の研究があるが、画像データを用いることで、これらの矛盾する説明を区別することができ、“敗北への恐怖”という新たな説明に至った」と述べている。
研究者の1人、同大学神経科学教授のElizabeth Phelps氏は「オークションで高値入札してしまう傾向を理解するには、社会的な敗北という予測が関与していることと、経済的な意思決定における社会的要因の重要性が示された」としている。(HealthDay News 9月25日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=619657
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