前立腺癌(がん)と診断されたときに過体重で、かつインスリン値が高い男性は、この疾患により死亡するリスクの高いことが新しい研究で示された。
カナダ、マッギルMcGill大学(モントリオール)腫瘍学教授のMichael Pollak博士および米ハーバード大学チャニングChanning研究所(ボストン)のJing Ma博士らは、医師健康調査(Physicians' Health Study)の一部として24年間にわたり追跡調査が行われた2,500人以上の男性に関する情報を検討。
被験者全員のボディ・マス・インデックス(BMI:肥満指数として用いられる)、827人のCペプチド濃度(血中インスリン値のマーカー)の情報が入手可能であった。研究の結果、過体重(BMI25~29)の男性は、健康な体重(BMI25未満)の男性に比べて前立腺癌による死亡リスクが47%高く、肥満(BMI30以上)男性では2.5倍高かった。
また、Cペプチド濃度が最も高い男性は、最も低い男性に比べて癌による死亡リスクが2倍以上高かった。結果的に、BMIが25を上回り、かつCペプチド濃度が高い男性の癌による死亡リスクは、BMI、Cペプチド濃度とも低い男性の4倍であった。研究結果は、英医学誌「Lancet Oncology(腫瘍学)」オンライン版に10月6日に掲載された(印刷版は11月号に掲載予定)。
Pollak氏は「化学療法は有用だが、インスリンと肥満への対処のほうが有益になる日が来るかもしれない。アンドロゲン(男性ホルモン)だけでなくインスリンも癌の習性(behavior: 刺激に対する反応パターン)に関係しているという全く新しいストーリーが示唆された」と述べ、インスリンホルモンが前立腺癌細胞表面のインスリン受容体に結合すると推測している。いくつかの製薬会社はすでにインスリンシグナルを標的とした試験薬の開発を行っている。また、Ma氏は「この知見は他の癌に対しても大きな影響を及ぼす」としている。
米ロチェスター大学(ニューヨーク州)医学部泌尿器学助教授のGanesh Palapattu博士は「今回の知見は、様々な理由から肥満が良くないことを示唆する新たなエビデンス(証拠)である」と述べ、米オクスナーヘルスシステムOchsner Health System(ルイジアナ州)のJay Brooks博士は、肥満がたばこに次ぐ2番目の癌死亡の原因である点を指摘している。(HealthDay News 10月5日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=620036
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