けがや癌(がん)手術によって外耳(耳介)を失った人の聴力や語音認識(speech recognition)の改善に人工耳が有用であることが、米国の新しい研究によって示された。外耳を失った患者の多くでは通常、外耳道の損傷はなく、残りの聴覚系は正常に機能するとされる。
研究を行った米ノースウェスタン大学フェインバーグFeinberg医学部(シカゴ)のWilliam E. Walsh博士らは、「医師は、外耳損失による審美面での障害だけでなく、聴覚障害の治療にも努めなければならない」と述べている。
医学誌「Archives of Facial Plastic Surgery(顔面形成外科)」9月/10月号に掲載された今回の研究で、Walsh氏らは8つの異なるシリコンゴム製の人工耳について分析。最初に、実物大の気泡プラスチック製頭部模型の外耳道の入り口部分にマイクロホンを取り付け、頭を360度回転させながら、人工耳を用いた場合と用いない場合の音圧レベルを測定した。
その結果、集音レベルは人工耳によって、周波数4.6キロヘルツ(kHz)で平均8.1デシベル(dB)、11.5kHzで平均9.7dB改善した(通常の会話は約60dB)。次に、正常な聴力を持つ若年成人11人を対象に、外耳を失うことによる聴力障害を想定した場合を含む聴取検査を実施したところ、人工耳による語声認識の改善が認められた。
Walsh氏らは「人工耳を用いることで、頭部の特定の位置および周波数で聴覚が向上する。これは騒音の中での語音認識に有益であるため、臨床的に意義がある。人によっては、人工耳により外観が元に戻るだけでなく、聴力が改善する可能性がある」という。(HealthDay News 9月15日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=619346
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