アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)と呼ばれる降圧薬の使用が、アルツハイマー病の発症率低下と進行遅延に関連しているとの研究結果が、米シカゴで開催された国際アルツハイマー病学会(ICAD)で報告された。
今回の研究で、米ボストン大学医学部(ボストン)薬理学教授のBenjamin Wolozin博士らは、米国政府のデータを分析。その結果、ARBを服用した人は服用しなかった人に比べて、アルツハイマー病やその他の認知症を発症する確率が35~40%低いことが明らかになった。
また、アルツハイマー病や認知症患者でARBを服用した人では、せん妄の発現や長期療養施設(ナーシングホーム)入居、死亡の確率が最大45%低下した。ARBは、アルツハイマー病や認知症の診断前、診断時に脳卒中を認めた患者で特に有益と思われた。研究者らは、この知見は、ARBによってアルツハイマー病や認知症を予防できる可能性を示すものであるとしている。
Wolozin氏は「認知症患者はARBを用いることで、脳機能の低下を遅らせ、長期療養施設に入居せずにすむ可能性がある。今回の研究では、ARBと他の降圧薬または心血管疾患治療薬を比較したところ、アルツハイマー病や痴呆症の予防にはARBのほうが有効であることが示唆された」という。
同氏らは、ARBが有益な理由は明らかでないが、脳血管損傷によって生じる神経細胞傷害の予防もしくは脳血管損傷後の神経の回復にARBが有用である可能性があると説明している。脳血管損傷は脳の容量を減少させ、認知症を進行させると考えられていることから、損傷を軽減すれば、疾患の進行を予防または遅らせることができる可能性がある。(HealthDay News 7月27日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=617789
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