潰瘍性大腸炎など、DNAを損傷させる慢性の腸炎あるいは胃炎を患っている人では、癌(がん)リスクが上昇することが、米マサチューセッツ工科大学(MIT:マサチューセッツ州)による2件のマウスの研究で明らかになった。
ヘリコバクターピロリ菌(H. pylori)やC型肝炎などによる炎症が、癌性細胞の増殖を促進し、細胞死を抑制するサイトカインを産生することは、以前から研究者の間で知られているが、このことが胃癌や肝癌のリスクを高めることになる。また、DNAを損傷させる体内の感染反応などの炎症経路が、癌を誘発することも疑われていた。
通常、DNAの損傷は細胞によって修復されるが、DNA修復システムが正しく機能しない場合には、損傷が細胞の変化を誘発し、癌の発生につながることが今回の研究で明らかになった。研究著者でMIT環境ヘルスサイエンスセンターのLisiane Meira氏は「予測はされてはいたが、公式に証明されたことはこれまでなかった」と述べている。
DNA修復システムは個々人によりその有効度が異なることから、医師はどの患者が炎症誘発性の癌に最も罹患しやすいかを判断できるようになる。同センター長のLeona Samson氏は「このばらつきが、個々人の罹病性や、慢性炎症反応への応答の仕方に影響する」と述べている。研究結果は、医学誌「Journal of Clinical Investigation(臨床研究)」6月2日オンライン版に掲載された。(HealthDay News 6月3日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=616043
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