2つの新薬、prucalopride(プルカロプリド)とmethylnaltrexone(メチルナルトレキソン)(いずれも日本国内未承認)が重度の便秘に有望であるとの研究結果が、医学誌「New England Journal of Medicine」5月29日号で報告された。便秘は現在、米国人の約15%にみられ、便通が2週間に1回程度の重度の便秘もよくみられるという。
Prucaloprideの有効性を示した1つ目の研究は、米メイヨークリニック(ミネソタ州ロチェスター)医学・生理学教授のMichael Camilleri氏らによるもので、慢性便秘症患者620人が対象。Prucaloprideを1日2mg、12週間投与した群の47.3%、1日4mg投与群の46.6%において週3回以上の便通が認められたが、プラセボ群は25.8%であった。
米ロチェスター大学(ニューヨーク州)医学・生理学教授のArthur J. Moss博士は同誌の論説で、過去に同薬と同じ機序で作用する2つの薬剤が心臓障害を引き起こすため市場から消えたことに言及し、「市販前研究の結果は良好でも市販されるまではわからない」と指摘。また、今回の研究が終了から発表までに9年もかかった点にも疑問を抱いている。
これに対し、Camilleri氏は「prucaloprideと過去の2剤との類似点は、腸管壁の細胞を刺激して筋肉収縮を引き起こす細胞受容体に作用するという点のみで、化学的な類似点はない。研究成績の発表が遅れたのは、動物を用いた毒性試験で高用量を長期投与した場合に腫瘍数に偏りが認められ、追加の安全性試験を要したためである」と説明している。
2つ目の研究は、オピオイド系鎮痛薬を2週間以上使用し、非常に重度の便秘が認められた133人が対象。Methylnaltrexoneの便秘軽減に対する有効性が示された。初回投与から4時間以内の便通は、methylnaltrexone投与群の48%、プラセボ群の15%に認められた。また同薬を投与した患者の半数以上で追加の緩下薬(下剤)を用いることなく便通が認められたが、プラセボ群では8%であった。
Methylnaltrexoneは先月(2008年4月)、皮下注射薬として米食品医薬品局(FDA)に承認されている。(HealthDay News 5月28日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=615909
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