第I相臨床試験の結果、前立腺癌(がん)ワクチンは安全であり、おそらく有効であることが示され、米オーランドで開かれた米国泌尿器科学会(AUA)年次集会で報告された。このワクチンは、患者の免疫系が抗抗原(anti-antigen)を産生し、癌細胞を攻撃できるよう開発されたもの。
米アイオワ大学泌尿器科学研究部長のDavid Lubaroff博士らは、転移性前立腺癌患者32人を対象に、3つの用量のいずれかのアデノウイルス/前立腺特異抗原(PSA)ワクチンを投与し、その安全性と、PSAに対する免疫反応の有無を検討した。12カ月間の追跡調査の結果、かなり安全であることが示された。
PSAに対する免疫反応は68~70%の患者で認められた。生存期間は57%が予測より長く、48%は予測寿命の2倍、最長生存期間は約6年であった。Lubaroff氏らは第II相試験をすでに開始し、「このワクチンが強力な抗PSA免疫反応を誘発し、この反応と疾患に対する効果に相関性があれば、別の治療法となりうる」と期待を寄せている。
米ヴァンダービルトVanderbilt大学(テネシー州)医学部泌尿器科学教授のBruce Roth博士は有効性について懐疑的であり、「この種の研究で証明できるのは安全性のみで、PSAが変化してもワクチンが作用しているとするには不十分。過去にも、一見優れているようだが望んだ結果が得られなかった免疫療法は多数あった」と指摘している。
このほか同集会では、45~50歳時のPSAレベルは30年後までの前立腺癌の予測に有用であり、前立腺癌がごく早期に発現し始め、PSAレベルが前立腺癌の発現に影響を及ぼすことを示唆する研究結果や、前立腺の家族歴があり、PSAレベルの高い黒人男性は、一般の人に比べて疾患の発現率が高いとの研究結果も報告された。(HealthDay News 5月18日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=615541
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