
日常の平均的な活動レベルが低下するだけで、糖尿病や心疾患、さらには若年死のリスクが増大することがデンマークの新しい研究で明らかになった。このような変化は、活動レベルの低下からわずか14日で現れてくるという。
米医師会誌「JAMA」3月19日号掲載の研究によると、健康な男性が日常の活動を減らすと、血液中のインスリン値が劇的に上昇するほか、糖尿病や心疾患リスクの増大を示唆するC-ペプチドおよびトリグリセライド(中性脂肪)などの血液因子の値も上昇することが判明。研究著者の炎症代謝センター(コペンハーゲン)Rikke Krogh-Madsen博士は「体重が増加することなく代謝障害が認められた点が特に興味深い」と述べている。
今回の研究は、糖尿病の家族歴のない健康な若年男性18人を対象としたもの。全員喫煙はしておらず、週2時間を超える定期的な運動プログラムへの参加もしていなかった。これら被験者を8人と10人の2グループに分けて検討した。
第1のグループは、平均年齢27歳、平均BMI(ボディー・マス・インデックス)は22.9で、研究開始前の1日の平均歩数は6,203歩であった。歩数を減らすため、短距離の移動でも徒歩や自転車ではなく自動車を利用し、階段ではなくエレベーターを利用するよう指示したところ、研究期間中の平均歩数は1,394歩に減少した。2週間後、血液中インスリン値に約60%の上昇が認められた。このことは、食物からエネルギーへの変換プロセスが効率的に働いていないこと、食物に含まれる糖分を代謝するためのインスンスリン産生の増加が必要なことを示唆している。
第2のグループは、平均年齢23.8歳、平均BMIは22.1。研究開始時の1日の平均歩数は10,501歩であったが、2週間後の平均歩数は1,344歩とほぼ90%減少した。このグループでも、2週間後のインスリン値は約60%上昇した。また、同グループでほかの影響についても調べた結果、心疾患の危険因子も増大することが判明。トリグリセライド値が上昇したほか、体重は変化していないにもかかわらず腹部脂肪が7%増大したという。
「日々の活動量が減少すると、代謝の変化が誘発され、慢性疾患や若年死につながる」と研究グループは述べている。しかし、逆に数週間活動量を増やせば、体重に変化がみられなくとも糖尿病や心疾患のリスクを軽減させることができることから、専門家は歩数計を装着して自分の1日の歩行量を把握することを勧めている。1日1万歩が目標だが、5,000歩に達すれば十分な効果が得られるという。(HealthDay News 3月18日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=613660
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