
女性にとって睡眠不足が、男性に比べてより心理的なストレスや2型糖尿病、心疾患のリスクを高めるバイオマーカーと関連していることが、米国の研究で明らかになった。これまで、女性は男性の倍近く睡眠障害を抱えていることが報告されていたものの、睡眠の研究は男性を対象としたものがほとんどで、睡眠と健康に与える性別の役割を検討したものは少ない。
研究では、全睡眠時間、夜間の覚醒度、さらに最も重要な評価基準となる入眠までに要する時間が検討され、質の低い睡眠(poor sleep)は男性よりも女性において、健康面で重大な影響をもたらすことが明らかになったという。
米デューク大学(ノースカロライナ州)メディカルセンターの研究者らは、睡眠障害の既往がなく、非喫煙者で、治療薬を常用していない健康な中年男女210人を対象に、睡眠に関する標準質問票に回答してもらい、抑うつ、怒り、敵意、社会的サポートの認識などのレベルを評価。また、血液サンプルを採取し、糖尿病や心疾患のリスクの上昇を示すバイオマーカーのレベルを分析した。その結果、被験者の40%が、入眠が困難、夜間に頻繁に目覚めるなど、睡眠の質が悪いことが明らかになった。
研究著者で、同大精神行動学部准教授のEdward Suarez氏は、睡眠の質の評価結果に男女差はなかったが、リスクプロファイルは著しく異なっており、「睡眠障害が同程度でも、男性に比べ女性では睡眠の質の悪さが、精神的ストレスなどにより大きな影響を与えていることが明らかになった」と述べている。また、心疾患やインスリンレベルのリスク上昇を示す炎症バイオマーカーであるC反応性蛋白(たんぱく)とインターロイキン-6のレベルも女性で高かった。
Suarez氏は「全体的な睡眠の質よりも、入眠までに要する時間が大きく影響しており、入眠までに30分以上かかると報告した女性のリスクプロファイルが最も悪かった」と述べている。また同氏は、男女間での睡眠/健康へ及ぼすリスクの差には、アミノ酸のトリプトファン、神経伝達物質のセロトニン、神経ホルモンのメラトニンなど、体内物質の活性の変化が関与しているとしている。研究結果は、医学誌「Brain, Behavior and Immunity」オンライン版に3月6日掲載された。(HealthDay News 3月21日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=613444
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