
飼い主とネコが、“スーパーバグ”(抗生物質耐性をもつ微生物)とも呼ばれるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染を共有する可能性があるとの報告が、米医学誌「New England Journal of Medicine」3月13日号に掲載された。
米国疾病管理予防センター(CDC)によれば、MRSA感染のほとんどは病院や養護施設など医療現場で生じ、感染者との皮膚接触で広がるが、細菌で汚染された表面や混み合った生活環境、不衛生とも関連しているという。イヌなど他の動物がMRSAを保有していた報告はこれまでにもあるが、ネコに関する報告はこれが初めて。
今回の報告は、ドイツ、バイエルン食品健康安全局 (Bavarian Food and Health Safety Authority)のAndreas Sing博士らによるもの。健康なドイツ人女性に何度も深部膿瘍が認められ、膿瘍と鼻腔スワブの両方でMRSA陽性反応がみられた。患者の家族(夫と子ども2人)も陽性反応を示したため、鼻腔軟膏および殺菌洗浄が処方された。
その後、家族はMRSA陰性となったが、女性患者のみ陽性のままであったため、患者の飼いネコ3匹について検査を実施したところ、1匹が無症状にもかかわらず、同じ菌株のMRSAを保有していることが判明。ネコの除菌を行い、ネコと女性に抗生物質による再治療を行った結果、MRSAは陰性化した。
Sing氏は「動物、特にペットは、ヒトの病原菌の貯蔵庫となりうる」と注意を促しながらも、今回の感染はネコから感染したものではなく、最初に女性からペットに感染し、その後ペットから女性に再感染した可能性が高いとしている。
米ボーモントBeaumont病院(ミシガン州)のMatthew Sims博士は「ネコは人に身体をすりつけることを好むが、その行為は皮膚接触である。ただし、ペットを飼うことを不安に思うことはない。最良の予防法は、清潔を保ち、頻繁に手を洗うことである」と述べている。(HealthDay News 3月12日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=613489
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