
ビタミンサプリメント(栄養補助食品)に肺癌(がん)の予防効果はなく、むしろビタミンEを摂取することで肺癌リスクが高まる可能性のあることが、米医学誌「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」3月号で報告された。
米ワシントン大学(シアトル)肺疾患・集中治療医学のChristopher G. Slatore博士らは、4年間にわたるビタミンとライフスタイルに関する研究(VITAL研究)に参加したワシントン州の男女約7万8,000人(50~76歳)を対象に、マルチビタミン、ビタミンC、ビタミンEおよび葉酸のサプリメント摂取習慣と肺癌の発症を検討。研究期間中に521人が肺癌と診断された。
研究では、これらビタミンサプリメント摂取による肺癌リスク低下に関するどのような証拠も認められなかった。喫煙や家族歴、その他の肺癌の予測された危険因子に加え、ビタミンEの摂取と肺癌発症率との間にわずかではあるが統計学的に有意な関連性が認められた。ビタミンE摂取量が1日100mg増加するごとに、肺癌リスクは7%上昇しており、このことは毎日400mgを摂取すれば、10年でリスクが28%上昇することを意味する。
米国癌協会(ACS)のEric Jacobs氏は「ACSでは悪性腫瘍予防のためのビタミンサプリメント使用は推奨していない。最良の肺癌予防法は禁煙だが、禁煙できない人は、肺癌のリスク増大との関連が示されているβ(ベータ)-カロテンサプリメント摂取を避けるべき。ただし、喫煙歴のある人ではニンジンやエンドウなどカロチノイドの豊富な野菜の摂取でリスクが低減するという証拠がいくつかある」と述べている。
英ロンドンに拠点を置くヘルスサプリメント情報サービス(HSIS)のスポークスマンのPamela Mason氏は、この知見について「驚くに値しない。ビタミン類は、健康を維持し、ビタミン不足を予防する働きを持つ必須栄養素。癌などの慢性疾患予防を目的に使用するものではない」という。
米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)家庭・予防医学部准教授のEdward Gorham氏は「ビタミンDを研究した結果、大腸(結腸)癌、乳癌、卵巣癌に対する予防効果、さらに肺癌に対しても中等度の効果が認められたが、サプリメント摂取によるものではなく日光によるもの。日光を浴びることにより体内でビタミンDが生成される」と説明している。(HealthDay News 2月28日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=613028
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