
精神的なスランプやうつ状態のピークは中年期であることが、英米の研究者らによる新しい国際研究によって示唆された。研究者らによれば、これは性差(性別)や文化、地理、財産、職歴、学歴、婚姻状況、親の状況にかかわらず、ほとんど世界共通だという。
米医学誌「Social Science & Medicine」に近く概要が掲載される予定の今回の研究は、英ウォーリックWarwick大学(ウォーリックシャー)経済学教授のAndrew J. Oswald氏らによるもの。80カ国約200万人を対象に、健康で幸福な状態(well-being)について分析した。
同氏らは、米国・欧州の男女約50万人を対象とした数十年にわたる2つの幸福度/満足度調査(happiness/satisfaction surveys、1970年代に開始)、1981~2004年に4回にわたり北米、東欧・西欧、アジア、アフリカ、オーストラリア、中南米80カ国で実施された世界価値観調査(World Values Survey)、100万人近い英国人を対象とした2004~2007年の調査などのデータを用いた。
幸福感と良好なメンタルヘルス(精神的健康)は、生涯でみるとU字型を示すことが判明。幸福度は20歳のときに高く、徐々に下降して40歳代で最低となり、その後再び上向きになるという。世界的にうつ状態になる可能性が最も高いのは44歳ころであった。ただし、米国では性差があり、男性は50歳代初め、女性は40歳ころが最低であった。
研究者らは、快活な人が不幸な人より長生きする傾向があることを指摘しつつ、この知見が単に、かなわない願望を中年期にあきらめ、その後は他人が死んでいくなか自分が生きていることに感謝するようになることを示すものにすぎない可能性もあるという。Oswald氏は「40歳代で落ち込んでも普通だと思える点でこの知見は有用」としている。
米テキサス大学医学部(ガルベストン)のJames S. Goodwin博士は「この知見は年齢や経験の価値を示すもの。年齢を重ねると知恵や知識が増える。中年期のつらい時期があってもその時期はいずれ終わり、その後は知恵や知識があることで前向きな展望を持つことができる」と述べている。(HealthDay News 1月30日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=612170
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