
親しいパートナーによる暴力(intimate partner violence: IPV)を受けた被害者は、男女とも慢性の健康障害を有し、危険な行為に関与しやすいという研究結果が、米国疾病管理予防センター(CDC)発行の「Morbidity and Mortality Weekly Report」2月8日号で報告された。米国では毎年、IPVによりおよそ1,200人が死亡、負傷者は女性で200万人、男性では60万人に上っている。
研究著者でCDCの疫学者のMichele Black氏によれば、一生の間に女性の4人に1人、男性の7人に1人が、親しいパートナーによる身体的または性的暴力を経験するという。今回、同氏らは、2005年の行動危険因子サーベイランスシステム(Behavioral Risk Factor Surveillance System;BRFSS)に参加した16州、2自治領の男女7万0,156人のデータを収集。IPVに関する項目について尋ねた。
その結果、IPVは男性よりも女性で有意に多く、多民族、非ヒスパニック系、アメリカ先住民/アラスカ先住民の女性、低収入の女性が多かった。また、女性被害者が慢性の健康障害を有し、危険な行為に関与する可能性は有意に高かった。慢性の健康障害は糖尿病、高血圧、過体重でなく、高コレステロール、HIV感染のリスク増大であった。
男性の被害者はつえや松葉づえ、車いす椅子を用い、関節炎や喘息、脳卒中を有することが多く、HIV感染や性感染病の危険因子があり、過度の飲酒・喫煙癖を持つ可能性も高かった。Black氏は「この知見は公衆衛生の問題としてIPVが重要であることを強く示している」と述べている。
米ハーバード大学(ボストン)公衆衛生学部のJay G. Silverman氏は、男性に対する暴力と女性に対する暴力をひとまとめで考えることで虐待の実態があいまいになることを懸念し、男性よりも女性や女児のほうがはるかに犠牲になりやすいことを指摘している。(HealthDay News 2月7日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=612490
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