
ヤモリの足にヒントを得て、耐水性、生分解性をもつ新しい外科用粘着テープが開発された。このテープはヤモリの足と同じような微小な「凹凸」をもつもので、体外の創傷のほか、身体内部の傷にも使用することができるという。この知見は、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に2月19日掲載された。
研究を率いた米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(BWH、ボストン)ハーバード-MIT健康科学技術部門のJeffrey M. Karp氏によると、現在使われている外科用テープには柔軟性も耐水性もないものが多いことから、伸縮性があり、組織に適合し、生分解するという要求をすべて満たすこの新素材を作り出したという。滑りやすい組織にも接着できるようにするために、研究グループはヤモリに着目。ヤモリは、足の裏にもつ「ナノスケールピラー(nanoscale pillar)」と呼ばれる無数の微小なへら状構造により壁や天井にはり付くことができる。
このテープは時間とともに生分解するため、手術で取り除く必要がなく、生分解に要する時間は、目的ごとに調節できるという。Karp氏は、このテープがヘルニア手術、胃バイパス手術、クローン病による腸部分切除などの治療のほか、潰瘍による穴などをふさぐのにも利用されるようになることを期待している。さらに、さまざまな薬剤を送達する体内パッチ剤としての利用や、曲げ伸ばしが可能なため、小さな切開部から実施する手術などで縫合糸の代わりに利用できる可能性もあるという。
研究チームはこれまでに、このテープをブタの腸やラットの胃などに使用し、ナノスケールピラー構造をもたないテープに比べて2倍の強度があることを示している。現在は、特定の組織ごとの接着テープを開発している段階で、その後、臨床試験を開始したいと研究チームは述べている。(HealthDay News 2月19日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=612792
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