
悪性腫瘍に関与するヒトパピロマウイルス(HPV)に感染している女性では、日常的なストレスレベルが高いと、子宮頸癌(がん)が発現するリスクが高まることが、新しい研究によって明らかにされた。HPVは性交渉によって感染し、米国疾病管理予防センター(CDC)の統計では、14~59歳の米国人女性の4人に1人が感染している。
医学誌「Annals of Behavioral Medicine」2月号に掲載された今回の研究で、米フォックス・チェイスFox Chase癌センター(フィラデルフィア)のCarolyn Y. Fang氏らは、子宮頸部異形成(子宮頸部前癌病変)と診断された女性74例を対象に、子宮頸癌の主な原因と考えられているHPV16に対する免疫反応を調べた。
また、過去6カ月間に経験した家族の死亡や失業、離婚など大きなストレスとなる出来事と、前月の日常的なストレスレベルを、質問票を用いて評価した。研究の結果、55%を超える女性が、性器疣贅(ゆうぜい=いぼ)や癌を引き起こす可能性のある1種類以上のHPVに陽性を示し、ストレスはHPV16に対する免疫反応の弱さに関連していた。
ただし、大きなストレスをもたらす出来事の発生とHPV16に対する免疫反応に有意な関連性はなく、日常的にストレスが多い女性で免疫反応が弱い傾向が高かった。Fang氏は「健康な女性の場合、ほとんどのHPV感染は時間がたてば消失するため、HPV感染のみで子宮頸癌が発症するわけではない。この結果はストレスが子宮頸部疾患の進行に影響を及ぼす可能性を示唆しているが、実際にストレスが免疫反応を弱めるかどうかはまだわからない」としている。
米エモリーEmory大学(アトランタ)医学部産婦人科学准教授のKevin Ault博士は、性生活のある女性に対して、HPVの有無にかかわらず、定期的にパパニコロー(Pap)検査を受け、健康的な習慣を身につけるよう勧めている。また、同大学のCharles Raison博士は「HPV感染者は、運動を行うことなどでストレス負荷の軽減に努めることが重要」と述べている。(HealthDay News 2月15日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=612680
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