
前立腺癌(がん)治療のホルモン療法を受け、心臓を保護するためにベビー(小児用)アスピリンを服用している男性では、死亡リスクが有意に高くなり、最終的にホルモン療法を中止せざるをえなくなることが、新しい研究によって示唆された。
前立腺癌に対し、男性ホルモンであるアンドロゲンの産生抑制や受容体結合阻害を目的としたホルモン療法が行われるが、高齢男性や糖尿病、喫煙男性では、心臓発作予防のためにベビーアスピリンを服用している例が多い。米医学誌「New England Journal of Medicine」12月27日号に掲載された今回の研究は、前立腺癌の転帰に対するアスピリンの影響を検討したもの。
米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院/ダナファーバーDana-Farber癌研究所(ボストン)のAnthony V. D'Amico博士らは、放射線療法単独と放射線療法+ホルモン療法併用とを比較する試験に参加していた限局性前立腺癌患者206人のデータを分析。ホルモン療法では、抗アンドロゲン制剤のフルタミドを6カ月間投与した。
その結果、6カ月間のホルモン療法を完了しなかった男性は完了した男性に比べて死亡率が3倍高く、アスピリン使用患者ではホルモン療法を中止せざるをえない確率が高いことが判明した。D'Amico氏は「フルタミドには肝機能検査値を上昇させる傾向があり、上昇した場合には一時的でもホルモン療法を中止しなければならない」と説明。
ホルモン療法とアスピリンの相互作用はウサギを用いた動物試験でも示されており、併用すると血中のアスピリン濃度が100倍になり、中毒量となる。同氏は、今回の研究で因果関係が確立されたわけではないがその可能性は高いとして、癌専門医に対し、アスピリン服用が心疾患予防のためだけであれば、癌治療期間中の服用中止が可能かどうかを検討し、服用がどうしても必要であればホルモン療法を用いずに前立腺癌の治療を行うよう促している。(HealthDay News 12月26日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=611269
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