
米国では、肺での瘢痕(はんこん)化が進行し、徐々に呼吸ができなくなる特発性肺線維症(IPF)と呼ばれる疾患により、年間4万人以上が死亡している。この原因不明で治療法もない疾患と極めて似た致死的な病状が、小型犬のウエストハイランド・ホワイトテリア(Westieウエスティ)でも見られることから、情報の共有と知識の蓄積を目的に、医師と獣医師が初めて一堂に会した。
この会議は、米国ウエスティ基金(WFA)と米国ケンネルクラブ(AKC)イヌ健康基金の支援により、2007年10月に米パデューPurdue大学(インディアナ州)で開かれたもの。専門家は、ウエスティが非常に純粋な血統であり、イヌのほうがヒトよりも疾患の進行が速いことから、その研究が両種の肺線維症を引き起こす遺伝的要因または環境的要因を明らかにする貴重な手掛かりとなりうるとしている。
米国の患者支援団体、肺線維症連合(CPF、カリフォルニア州サンノゼ)のMark Shreve氏によれば、IPFでは細胞レベルで何らかのシグナル伝達がうまく働かず、正常組織が線維性の硬い瘢痕組織に変わるという。米エモリーEmory大学(アトランタ)医学部教授のJesse Roman博士も、IPFの根本的原因を発見するための手掛かりはほとんどないと述べている。
英エジンバラ大学小動物病院長のBrendan Corcoran博士は「イヌの疾患がヒトの疾患と同じかどうかはまだ意見が分かれるところだが、同じ疾患であることが明らかになれば、イヌで得られた情報をヒトの疾患を理解するために、どのようにとらえ扱うか、あるいはその逆について選択肢が限りなく広がることは間違いない」と期待を寄せている。
ウエスティにおける正確な罹患率は不明であり、イヌの肺組織の死後検体の入手も困難であるといったさまざまな問題があるが、Corcoran氏は、純血種のウエスティが遺伝的研究の重要な手がかりとなり、寿命が短いので疾患を「早送り」で見ることができ、結果として研究速度も速まると指摘。さらに、イヌでは喫煙などの交絡因子(confounding factor)もないことから、疾患自体を純粋に調べることができるとしている。(HealthDay News 12月27日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=610158
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