幹細胞の表面を改変することによって、その細胞を体内の必要な場所へ向かわせる方法を米国の研究グループが突き止めた。この方法は、幹細胞治療のさまざまな分野で有用と思われる。
米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(BWH、ボストン)生物医学研究所のRobert Sackstein博士率いるグループが、ヒト間葉系幹細胞(成人幹細胞の一種で、骨を形成する骨芽細胞の前駆細胞)の表面に改変を加えたところ、この幹細胞は血流を通じて骨へと導かれ、骨の中で新しい骨細胞へと成熟したという。
Sackstein博士らは、幹細胞の表面を改変し、HCELLという分子を発現させた。HCELLは、骨など特定組織の血管の内面にみられる接着分子E-セレクチンを探し出して結合する「ホーミング受容体」である。この幹細胞をマウスに注射したところ、骨に移動し、マウスの骨の中にところどころヒトの骨の部分ができたという。
「幹細胞を遺伝的に再プログラムすると有害な作用を引き起こす可能性があるが、それをせずに、細胞を所定位置に導くことに成功した。これは組織再生の実現に向けて不可欠な第一歩だ」とSackstein氏は述べている。郵便番号が郵便物の配送に必要なように、幹細胞にも、体内の必要な場所へ移動するための道筋を示す手がかりが必要だという。
この研究は、医学誌「Nature Medicine」オンライン版に1月13日掲載されたもので、同誌印刷版の2月号に掲載される。(HealthDay News 1月14日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=611649
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