
携帯電話の利用者が増え続け、技術も進化し続けているが、高周波エネルギーへの長期的曝露によって生じる健康リスクはいまだ十分にわかっていないとする新しい報告書が提出された。
米国学術研究会議(NRC)が、米国食品医薬品局(FDA)の要請によりまとめたこの報告書の責任者である米コロラド大学教授Frank S. Barnes氏によると、携帯電話を使っても、すぐに問題が生じるといった急性の影響がないことは明らかだが、問題は、長期的に使用した場合の影響だという。携帯電話だけでなく、テレビ塔などのさまざまな通信システムでの曝露や、基地局の整備に携わる人、携帯の使用頻度が高い高校生への影響など、解明すべき疑問がいくつもあるという。
報告書作成にあたり、NRCはまず、昨年(2007年)8月に3日間のワークショップを開催。米国のほか9カ国から専門家を集め、まだ研究されていない問題を洗い出した。報告書では、以下のようなものの影響について、今後、本格的な研究により検討する必要があるとしている:
・携帯電話、無線パソコンおよび基地局アンテナなど、あらゆる無線機器への長期曝露(特に小児、妊婦および胎児)
・無線ネットワークの急速な拡大、それに伴う基地局アンテナおよび電磁場の増加。
・携帯電話のアンテナ設計の変化。
・携帯メールの導入など、携帯電話の使われ方の変化。ブルートゥース(コンピューターと周辺機器、携帯電話などをワイヤレスで接続する無線通信規格)技術による身体の高周波エネルギーへの曝露部位の拡大。
このほか、脳腫瘍、神経障害ないし認知障害との関連についても研究が必要でとされている。10年、20年、30年という長期的なデータを得るのは容易ではなく、多数の複雑な要因があり時間もかかるが、答えを得るに値する疑問が的確に示されているとBarnes氏は述べている。
別の専門家は、携帯電話についてさらに研究が必要であるという点に同意する一方、これらの知見すべてが必ずしも否定的なものではないと述べている。実際、片頭痛や痙攣(けいれん)の治療に高い電磁場を用いることもあり、曝露が必ずしも健康に害を及ぼすとは限らないという。いずれにせよ、もっと多くの情報が必要であり、幅広い研究が絶対に不可欠であるとしている。(HealthDay News 1月17日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=611848
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