
サプリメント(栄養補助食品)として市販されていた製品を摂取し、悪性の前立腺癌(がん)を発症した男性2人の症例が、米医学誌「Clinical Cancer Research」1月15日号で報告された。同製品のラベルには、含まれていないものが表示され、表示されていないものが含まれていたという。
今回の報告は、米テキサス大学サウスウエスタン・メディカルセンター(ダラス)のShahrokh Shariat博士らによるもの。男性2人がスタミナや筋肉の増強、心機能の強化のために、同サプリメントを数カ月間使用したところ、進行性の前立腺癌が急速に発現。一人はすでに死亡し、もう一人は癌の最終段階にあり、数カ月内に死亡するとみられている。
製品を分析した結果、性ホルモンのテストステロンとエストラジオールの両方が含まれており、ヒト前立腺癌細胞を用いた実験で、テストステロン単独よりも癌細胞の成長を促進する可能性の高いことが判明した。同報告では製品名、製造業者名は明かされていないが、米国食品医薬品局(FDA)は製造業者に市場からの回収を命じたという。
Shariat氏は、市場にこのような製品が多数存在すると述べ、注意を促している。これに対し、サプリメント業界を代表する米国栄養評議会(CRN)のAndrew Shao氏は、何かを体内に摂取する際には注意が必要としながらも、「因果関係が確立されたわけではない。興味深い知見だが、実験室で得られた結果に過ぎない」と述べている。
米国ハーブ製品協会(AHPA)会長のMichael McGuffin氏は、製品名などが特定されていないため、消費者の手元に製品がまだ残っている恐れがあると述べ、米メモリアル・スローン・ケタリング癌センター(ニューヨーク)のAndrew Vickers氏も「前立腺癌を示す前立腺特異抗原(PSA)レベルが最初低かった男性に6カ月で癌が進行したのは異常だ」として懸念を抱いている。(HealthDay News 1月18日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=611803
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