
最近、米国の元連邦最高裁判事のSandra Day O'Connor氏のアルツハイマー病に侵された夫(77歳)が養護施設で別の女性と交際しており、元判事はそれを容認しているというニュースが報道された。専門家は、ほとんどの場合この事例と同じく、アルツハイマー病患者の配偶者や子どもは新たな関係を理解し、許容するとしている。
米国で最近公開された映画「Away From Her」でも同様の関係が描かれ、アルツハイマー病の妻を持つ夫は、その関係が妻に慰めと安心を与えていることを理解し、徐々にそれを受け入れていく。米国家族介護同盟(FCA、サンフランシスコ)のDonna Schempp氏は、患者が配偶者や子どもを思い出せないのは拒絶ではないので、介護者のこのような感情の変化はめずらしくないという。
介護者は最終的に患者の幸せを願っており、患者は大切にされ愛されていると感じることで状態が良くなる。性的関係にはモラルや倫理の問題のため複雑になりがちだが、同氏は、認知障害について十分な知識もなく介護をしている人が多いことを指摘し、介護人が疾患の進行や介護の方法を学ぶことが重要だと訴えている。
患者が感情豊かな生活を続けることを知って驚く人は多い。米アルツハイマー病協会(AA)のPeter Reed博士は「疾患で人間性が失われるわけではなく、社会とのかかわりや人としての尊厳、人生の意味に対する欲求は消えない。通常、近くで定期的に見る人以外すべて忘れてしまうため、周囲の人に親しみを覚えることで、患者はより快適に過ごせる」と述べている。
米モンテフィオーリMontefioreメディカルセンター(ニューヨーク)のGary Kennedy博士は「アルツハイマー病の病状は脳の記憶や学習領域から始まり、次第に広がるが、個人差があり、思考や記憶の大部分が失われても、感情表出が比較的損なわれていない人もいる」として、神経学的には不思議でないという。また、疾患の進行に伴い感情が抑制できなくなり、遠慮なく愛情を示す場合があることも指摘。結局は、愛する人が病気の中で平穏を見出すことを許容することが最良の方法だとしている。(HealthDay News 12月10日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=610412
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