
ホスピタリスト(病院総合診療医)と呼ばれる新しいタイプの医療専門家のケアによって、患者の入院期間がわずかながらも有意に短くなることが判明した。
米医学誌「New England Journal of Medicine」12月20日号に掲載された報告によると、2002~2005年に米国内45施設で7万7,000件の入院例を調べたところ、ホスピタリストが治療を担当した場合、総合内科医(general internist)が担当した場合に比べて平均入院期間が約半日短縮し、平均268ドル(約3万500円)のコスト削減となることが判明した。患者の死亡率および再入院率に差はみられなかったという。
ホスピタリストとは、かかりつけ医のいない入院患者を専門にケアする医師のことで、一般的にはまだなじみがないが、医学界では約10年前から認められてきていると米タフツ大学(ボストン)のPeter K. Lindenauer博士はいう。病院医学会(Society of Hospital Medicine)という組織もあり5,000~1万人の会員を擁し、全米で2万人のホスピタリストが存在すると推定されている。この新しいタイプの医師を医療システムにどのように取り入れ、入院患者をどのようにケアするかを考えていく必要があると、米ミシガン大学(アナーバー)のLaurence McMahon博士は述べている。
従来はかかりつけ医が入院後の患者についても責任を負っていたが、約30年前に救急救命医や集中治療医が出現し、状況に変化がみえ始めたという。ホスピタリストの増加は、この30年前からの専門化のステップが完了に近づいていることを象徴するものだとLindenauer氏はいう。一方、個人がかかりつけ医を選ぶ際には、入院が必要になったときにホスピタリストに引き継ぐのかどうかを十分に話し合う必要があると同氏は指摘している。
今回の研究で示された差(平均0.4日の入院期間短縮)は小さなものだが、数千人という患者数を掛け合わせれば、その効果は極めて大きなものとなるとLindenauer氏は述べている。また、この研究ではホスピタリストによる治療に対する患者の満足度については評価していないが、効率性は医師だけでなく患者にとっても重要なものであるはずだという。
McMahon氏は「ホスピタリストとほかの医師との違いはごく小さなものだが、大きく変わったのは、我々が入院患者に対するケアの仕方」だと述べている。(HealthDay News 12月20日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=611113
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