乳癌(がん)で片側の乳房切除を受けた後に、残された健康な乳房も予防的に切除する、いわゆる「予防的対側乳房切除術」を選ぶ女性が増えていることが、米医学誌「Journal of Clinical Oncology」オンライン版10月22日号で報告された。
この研究は、米ミネソタ大学医学部准教授のTodd Tuttle博士らがSEER(Surveillance, Epidemiology and End Results)プログラムのデータベースを検討したもの。4,969人が予防的対側乳房切除術を選択し、実施率は1998年の4.2%から、2003年には2倍以上の11%に増加していた。また、若齢でヒスパニック系でない白人女性がこの選択をする傾向が最も強かった。
Tuttle博士は、この増加について「この方法を選択する理由がわからない。両側の乳房切除によって乳癌の生存率が改善すると考えているとすれば誤りで、もう片方の乳房に癌が発症するリスクよりもほかの部位に広がるリスクのほうが大きい」と述べ、多くの女性が不要な乳房切除を選択することを危惧する。
対側乳房の切除は、乳癌遺伝子のBRCA1、またはBRCA 2の遺伝子変異がある、50歳未満で乳癌を発現した一等親血縁者がいる、左右対称性の問題があるといった場合に検討すべきものである。Tuttle氏の助言は米国外科腫瘍学会(SSO)および米国癌協会(ACS)の勧告に一致しており、SSOでは多くの女性が対側乳房の癌発症リスクを過剰評価しているとしている。
一方、米医学誌「Journal of Clinical Oncology」に3月に掲載された米ウェイクフォレストWake Forest大学(ノースカロライナ州)の研究では、予防的乳房切除を選択した女性の大多数は後悔しておらず、生活の質(QOL)は切除を選択しなかった女性と同様であることが示されている。
また、米テキサス大学M.D.アンダーソン癌センター(ヒューストン)外科腫瘍学教授のS. Eva Singletary博士は「この増加は乳房再建技術の向上によるものである」と述べている。(HealthDay News 10月22日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=609318
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