
ストレスによって皮膚感染症にかかりやすくなるメカニズムが解明され、米医学誌「The Journal of Clinical Investigation」11月号に掲載された。免疫システムの崩壊という従来の説明とは異なり、皮膚の抗菌能(antimicrobial defense)の低下が関与しているという。
米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)皮膚科教授のPeter Elias博士らは、心理的ストレスを与えたマウスは、ストレスの少ない条件下に置いたマウスに比べ、A群溶連菌へ感染しやすいことを突き止めた。ストレスを受けたマウスは、表皮で発現する抗菌ペプチドが少なかったという。抗菌ペプチドは近年注目を浴びるようになったもので、免疫システムの「最前線」にあり、抗生物質のように細菌を攻撃して死滅させる作用がある。
今回の研究ではさらに、ストレスによってグルココルチコイドの産生が増大することも判明した。グルココルチコイドの増大は表皮の脂肪合成を阻害し、抗菌ペプチドが含まれる小胞の分泌が減少し、皮膚障害を起こしやすくする。Elias氏は、ストレスによって2つの重要な抗菌ペプチドの発現が下方制御され、マウスの皮膚感染症がさらに重篤なものになると説明する。グルココルチコイドの産生を阻害したところ、皮膚の抗菌能は正常に戻ったという。
防御の最前線は免疫システムのT細胞であると考えられてきたが、そうではないことが近年の研究で示されている。この抗菌ペプチドによる防御作用には相当の効果があり、ウイルスや細菌などによる攻撃の99.5%を処理できるという。今回の研究は、グルココルチコイドの産生を抑える局所薬などの新しい治療法につながると、Elias氏は期待を示している。(HealthDay News 11月2日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=609685
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