多くのケースにおいて、うつ病が男女を問わず退職を決心させるきっかけとなっていることが、米国の研究で明らかになった。うつ病の症状を患う中年男性では早期退職を選択する者が多く、一方、定年年齢にある女性では、たとえ症状が軽度であっても、パートタイマーなどの職につかずに完全に仕事を辞める傾向にあるという。
米ペンシルベニア大学(フィラデルフィア)の研究者らによると、成人労働者の10人に1人が年間を通じてうつ病に罹患している。これは、米国の48州でメンタルヘルス(精神衛生)と仕事の関係を長期的に調査した「健康と退職研究(Health and Retirement Study)」の参加者3,000人のデータを検討した結果、判明した。研究は、53~58歳の成人を対象に、1994~2002年の間に2年に1度調査が行われた。
フィンランドで実施された従来の研究でも、うつ病の罹患が早期退職の引き金になることが示されている。「フィンランド政府は米国より優れた退職後のセーフティーネットを提供していることから、うつ病が米国人の退職の決断に大きな影響を与えているという事実は、うつ病のもたらす影響がいかに深刻かを物語っている」と研究者は述べている。
筆頭研究者のJalpa Doshi氏は「知見からは、大うつ病や抑うつ症状が識別されずに、治療されていなことが懸念される。うつ病がもたらす精神的負担は、われわれが想像している以上に大きいものかもしれない」と述べるとともに、「うつ病による早期退職は、退職後の蓄えが不十分で、満足な医療保険に加入できない患者には、より困難な健康状況をもたらすことになる」と指摘している。研究報告は、米医学誌「Health Services Research」9月10日付オンライン版に掲載された。(HealthDay News 9月17日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=607906
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