過体重が高血圧の直接的な原因の一つであり、過体重の人の半数以上は減量により血圧を正常域の値まで下げることができるとのイタリアの研究結果が、先ごろ米アリゾナ州で開かれた米国心臓協会(AHA)高血圧研究会議で報告された。「原因が不明な病態に用いられる“本態性(essential)”高血圧において、過体重と高血圧の関連性が明らかにされたことは重要」と報告者は述べている。
イタリア、パビアPavia大学医学部教授のRoberto Fogari博士らは、身長に対する体重の比を示すBMI(ボディマス・インデックス=肥満指数として用いられる)が25~29.9である過体重(肥満は30以上)の男女210人を対象に、個別に準備した低カロリー食による食事療法を行った。被験者の収縮期血圧、拡張期血圧はそれぞれ140~159mmHg、90~99mmHgで、軽症高血圧であった。一部の被験者には脂肪の吸収を阻害する肥満治療薬orlistat(日本国内では未承認)も処方した。
6カ月後、男性の53%、女性の49%が正常体重となり、血圧は5%低下した。残りの50%ではすでに血管系に障害が生じていたため、減量しても高血圧は改善されなかった。Fogari氏は、完全な肥満になる前に減量すべきで、医師には高血圧を伴う中等度の過体重者に対して、まず体重減少を試みることを勧めている。同氏は「6カ月間減量を試みて初めて、薬物療法の決断を下すことができる」という。
米ミシシッピ大学医学部学部長のDaniel W. Jones博士は「減量によって血圧低下が望めることを示した研究は以前にも多数あり、目新しいものでない」としながらも、「肥満は社会的にもますます重大な問題になってきていることからこの知見は貴重であり、体重が増加してからの減量は難しいので肥満予防が重視される」と説明している。
同研究会議では、高血圧の薬物療法に関する報告も行われ、高血圧の診断を受けた米カリフォルニア州の成人1万1,467人のうち49.4%が降圧薬を使用しておらず、また服薬遵守(コンプライアンス)率は、前年に医師の診察を受けた者では受けていない者に比べ5倍高かった。(HealthDay News 9月28日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=608616
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