最も身近な人とのいさかいが、うつ病や喫煙など他の心疾患の危険因子を考慮しても、心血管イベントのリスクを3分の1増大させることが英国の研究で明らかになった。
英ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのRobert De Vogli氏らは、約9,000人の男女英国人公務員を対象に、最も気配りをする親しい人を4人まで挙げてもらい質問票による調査を行った。対象者の多くは配偶者との関係を重視していた。また、該当する親しい人物から受けた精神的および実質的なサポートについても尋ねた。その後、12年以上の追跡調査を行い、心疾患イベントの発症率に関するデータを収集した。
その結果、心疾患リスクの増大は、被験者の性別や社会(職場)的地位、被験者に対する社会的・精神的サポートとは関連しておらず、親密な関係者との不仲などのネガティブな面のほうが健康にとって重要である可能性が示された。これは、親密であるだけにより強い感情(心配や不安)をもたらすことになり、生理的影響が生じるためだという。研究は、米医学誌「Archives of Internal Medicine」10月8日号に掲載された。
米ジョージア医科大学(オーガスタ)のFrank A. Treiber氏は、この影響はおそらく交感神経系の活動の亢進によってもたらされるものだと説明。自身の研究でもストレスに対する反応は大きく、それが心臓の動きを激しくするという。同氏は、親密な人との良くない関係が心血管に及ぼす影響は、カウンセリングやトレーニングによって抑えることができ、家庭医による状況把握と、ストレス対処法を指導する人への紹介を勧めている。
米ウェイク・フォレストWake Forest大学医学部(ノースカロライナ州)病理学教授のCarol Shively氏は「この研究が他と異なる点は、関係の親密さを配偶者の有無など客観的なものでなく被験者が決めた点である」と指摘し、「これは社会的関係の中で、本人にとって感情面での質が重要であることを示している」と述べている。(HealthDay News 10月8日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=608920
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