これまでにない作用機序をもつ新しい喘息治療薬の有望性が、2つの小規模試験で示された。喘息のアレルギー性炎症に関与するサイトカインには、インターロイキン-4(IL-4)とインターロイキン-13(IL-13)があるが、この新しい治療法は、pitrakinraという単一の薬剤でこの2つのインターロイキンの作用を同時に阻害するというもの。
第1の臨床試験では、喘息患者12人に毎日pitrakinraを注射した後、抗原を吸入させた。その結果、肺機能の指標である努力呼気肺活量(FEV)の低下率は、プラセボ群23.1%に対し薬剤投与群17.1%であった。もう一方の臨床試験では、喘息患者16人にpitrakinraを吸入させた後、抗原に曝露。肺機能低下率は、プラセボ群15.9%、薬剤投与群4.4%であった。この知見は、英医学誌「The Lancet」10月20日号に掲載された。
研究を率いた米Aerovance社(カリフォルニア州)のMalinda Longphre氏によると、IL-4とIL-13には共通する受容体がある。pitrakinraはヒトIL-4のいくつかのアミノ酸を置換したもので、IL-3、IL-4共通の受容体に結合することで両者の作用を阻害すると述べている。同社は吸入薬としての市販を目指すが、一連の試験に数年を要する見通しだという。
この知見について、専門家の反応はさまざまである。ある専門家は、数年前にIL-4阻害薬を使用しての研究結果が思わしくないことから、抗原投与に関する研究は喘息治療とは異なると否定的な見解を示しているが、別の専門家は、今回の2試験は小規模だが意味のあるものと、大きな期待を示している。現在、複数の製薬会社がサイトカインを阻害するいくつかの薬剤について試験しているという。(HealthDay News 10月18日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=609283
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