前癌(がん)病変であるポリープを切除する初期の結腸鏡検査のほうが、経過観察のスクリーニングよりも大腸癌(結腸直腸癌)による死亡リスク低下に貢献することが、新しい研究によって示唆され、米フィラデルフィアで開かれた米国消化器病学会(ACG)で報告された。
米メモリアル・スローン・ケタリング癌センター(ニューヨーク)のAnn G. Zauber氏らによる今回の研究は、初期(1回目)の結腸鏡検査後にポリープおよび浸潤性大腸癌の発現を追跡調査した米国ポリープ研究(NPS)で収集された、大腸癌発症率と死亡のデータを再検討したもの。
Zauber氏らは、予防スクリーニングを受けなかった患者、初期の結腸鏡検査/ポリープ切除のみ受けた患者、結腸鏡検査/ポリープ切除と経過観察のスクリーニングの両方を受けた患者を含むNPSのデータをコンピュータモデルに登録し、30年間の大腸癌の発症率と死亡を予測した。
その結果、大腸癌による死亡リスクは初期の結腸鏡検査後に90%低下し、その後10年間のリスク低下は90%が初期の検査によるもので、経過観察のスクリーニングによるリスク低下は10%のみであった。ただし、初期の結腸鏡検査から10~20年後には経過観察のスクリーニングによるリスク低下が約45%となった。
以前の研究で、初期のポリープ切除と経過観察のスクリーニングによって大腸癌の発症率が76~90%、死亡率が69~92%低下することが示されているが、今回の研究は、これらの便益が初期のポリープ切除によるところが大きいことを示しており、Zauber氏らは、経過観察のスクリーニングに頼りすぎるのは妥当でないことが示唆されたとしている。
しかし、Zauber氏は、10年を超える長期では経過観察のスクリーニングの相対的重要性が増すことを指摘し、大腸癌やポリープの既往があるなど高リスクの患者が3~5年毎に経過観察の結腸鏡検査を受けるべきだとする現行のACG勧告についても賛同の意を示している。
米ベス・イスラエルBeth Israelメディカルセンター(ニューヨーク)のJoseph Martz博士は「初期の結腸鏡検査では1cm超のポリープの3~4%が見逃される可能性があるため、最初の10年は初期検査が有効であっても、その後の結腸鏡検査は非常に重要だ」という。(HealthDay News 10月16日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=609162
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