前癌(がん)性の遺伝子損傷を調べるスクリーニング検査が、肺癌リスクの高い患者の特定に有用であることが示され、医学誌「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」9月号で報告された。
米コロラド大学健康科学センターのWilbur A. Franklin博士らは、SKY (spectral karyotyping)法およびFISH(蛍光in situハイブリダイゼーション)法という2つの標識法を用いて71人の肺組織の染色体を調べた。このうち14人はすでに肺癌と診断されており、43人は高リスクと考えられる喫煙者、残りの14人は喫煙経験のない健康な男女であった。
その結果、癌患者の100%、高リスク者の82%に染色体異常が認められた。さらに、染色体異常指数(CAI)を設定して遺伝子損傷の程度を示した結果、非喫煙者のCAIは1%未満、高リスク者は10%以上、癌患者は15%以上であった。この遺伝子損傷という「マーカー」がいつ発生するのか、何が引き金となるのかについてはわかっていないという。研究グループはこのほか、癌患者および高リスク者ともに、5、7、8、18番の4つの染色体に特に異常が多いことも突き止めた。
この遺伝子変化が必ずしも肺癌につながるとは限らないものの、今後の研究を推進するものだと研究グループは述べている。今回の研究で用いられた技術は、医学的に広く利用するには実用性が低いが、この研究が最初のステップとなり、バイオマーカーによる肺癌スクリーニングが利用できる日も遠くないとFranklin氏は予測する。別の専門家は、この研究は肺癌の予防に禁煙が極めて有効であることを強く裏付ける証拠だと指摘している。(HealthDay News 9月5日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=607844
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