うつ病は、狭心症、関節炎、喘息、糖尿病などの慢性疾患に比べて身体能力を奪うリスク(危険性)が高く、またこれら慢性疾患の人がうつ病に罹患すると、状態がさらに悪化することが、世界保健機関(WHO)の研究によって明らかになった。
WHOのSomnath Chatterji博士らは、WHO世界健康調査(World Health Survey)に参加する60カ国の約24万5,000人のデータを精査。その結果、対象の3.2%が前年にうつ病エピソードを経験、狭心症は4.5%、関節炎4.1%、喘息3.3%、糖尿病2%であった。さらにこれら慢性疾患を1つ以上有する人では9~23%がうつ病に罹患しており、慢性疾患を持たない人に比べうつ病の罹患率は有意に高かった。また、データを社会経済的要因および健康状態で調整後も、うつ病は前記の4大慢性疾患に比べ健康を最も悪化させる疾患であることが判明した。
Chatterji氏は、うつ病は身体疾患ほど注視されていないが、緊急の健康課題として認識し、対応すべき問題であると指摘。さらに、「身体疾患のある人は、うつ病の検査を受け、適切な治療を受ける必要がある。またプライマリケア医は、患者の負担を軽減し、社会全体の健康を向上させるために、うつ病や併発する疾患を理解し、管理法を学ぶ必要がある」と述べている。
NPO団体メンタルヘルス・アメリカ(バージニア州)最高経営責任者のDavid L. Shern氏は、うつ病を治療可能な疾患とした上で、「多大な効果をもたらす薬物療法が開発されており、薬剤の使用を望まない人には心理社会学的療法があるが、双方の組み合わせが推奨される」と述べている。研究結果は、医学誌「Lancet」9月8日号に掲載された。(HealthDay News 9月7日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=608045
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