慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者は、これまで考えられていたよりも多いことが国際研究チームにより示され、英医学誌「Lancet」9月1日号で報告された。罹患数は世界人口の高齢化に伴い、さらに増加する見込みだという。
研究を行った米オレゴン健康科学大学(ポートランド)A. Sonia Buist博士は、COPDの深刻さについて世間の認識と現実との間に大きな隔たりがあることから、今回の研究を実施した。COPDは、生涯にわたって吸い込んだあらゆるものに対する肺の反応が累積して生じるものであるため、高齢化に伴って有病率が著しく増加すると思われるが、診断も治療も十分にされていないという。
今回の研究では、12カ国から40歳以上の9,425人のデータを収集。重症COPDの有病率は全体では10.1%、男性11.8%、女性8.5%という結果で、最近別の研究で出された「全体の有病率4.3%」という数字と大きく異なった。米国全体の重症COPD有病率は10.1%であったが、患者数には地域差があり、南アフリカのケープタウンでは最も有病率が高く、男性22.2%、女性16.7%。最も低かったのはドイツのハノーバーで、男性8.6%、女性3.7%であった。男女差は、主に喫煙の習慣に起因するものだと研究グループは指摘している。
COPDになると徐々に肺の損傷が進行し、呼吸が困難になる。肺の細い気道(気管支)が閉塞されるため、空気の出入りに障害を来す。最も多い原因は喫煙で、さらに汚染物質、塵埃(じんあい)、化学物質などの肺刺激物を吸い込むことも長期的にはCOPDの原因となる。治癒は見込めないため、予防が最も大切で、喫煙をしない、汚染物質や煙に曝露する仕事を避ける、防具を着用することなどが予防につながるという。
専門家の一人は、COPDが大きな公衆衛生問題となりつつあることがこの研究によって浮き彫りにされ、喫煙や大気汚染のほか、コントロールされていない喘息などの因子があることも明らかにされたと指摘している。
同じ号に掲載された別の研究では、生まれつき肺機能が弱い人は、22歳まで呼吸器障害が続くリスクがあることが判明。このため、生まれる前からのCOPD予防が必要であり、妊婦は喫煙を避けるべきであると研究チームは述べている。(HealthDay News 8月30日)
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=607809
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